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時事エッセイ(12件)
2008年5月18日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (23)
時事エッセイ
§ 中国・四川大地震
とてつもない大地震だった。1995年1月の阪神淡路大震災の約30倍に匹敵する超大地震であると専門家は言っている。
2008年5月12日に発生したこの地震は、北京まで届いたというから如何にその衝撃が大きいかが判るような気がする。阪神淡路大震災は神戸市に限局されていたが、今回は北海道全域に匹敵するような広大な地域にその被害はわたり、被災者は1,000万人を超えるという。地震発生の5日目に当る5月17日、新華社通信は、死者推計5万人以上 ( 内確認できた死者約22,000人以上 )、生き埋め14,000人以上という。
このような超大規模な災害は、国家をゆるがすような災害であることは間違いない。温家宝首相は12日午後現地に入ったというのは、国としての判断は極めて正しかったと言えよう。しかし、胡錦濤国家主席が4日目の午前に被災地に入り、このような折の生存可能性のある時間 ― 42時間を過ぎているので、批判が強まっているらしい。正確には、これは胡主席の現地入りのために、約50kmにわたって警官が100mおきに立って警戒に当ったということが批判されているのではないかと、私、松本文六は考える。
このような時に、国家元首が現地に向うとすれば、ヘリコプターを使用すれば済むし、このような国民の生死に関わる大災害の最中に元首を襲うような中国人はいないはずだ。にもかかわらず、50kmにわたる警備体制 … 総勢1,000人を超す警官を配置したということは、それこそ、現政権の基盤があやうくなってきているのではないかと推測される。
私が、1995年1月の阪神淡路大震災の折は、インフルエンザが猛威を振るっており、1日の外来患者が600~700人いて、即身動きできなかった。やっと動くことができたのが、地震発生後33日目であった。そのため、地震発生の1週間の現地の混乱はマスメディアの報道のみしか知らないが、今回の報道は、まさに驚天動地の大天災ということは理解できる。しかし、その実態は、現地にゆけば、広島・長崎に原爆が落され屍臭のただよう状況と一致する。しかし、広島・長崎では地上のものすべてが破壊されているため、推理的にはどこでもゆける。しかし、四川の場合には、ほとんどの建物が簡単に倒壊し、その下に生き埋めになった厖大 ( ぼうだい ) な人間がいる。道路網がくずれ、ダムが決壊する恐れがあり、急遽避難命令が出るような、そして伝染病の拡大の危機など、あらゆる危機が集中して出現しているようで、阪神淡路大震災のちょっとした経験などと比較すべもないと考える。
多くの亡くなられた方々の御冥福とけがをされた方々および被災者の安全を心よりお祈り申し上げたい。
2008年4月 4日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (20)
時事エッセイ
§ 『 靖国 YASUKUNI 』上映中止
東京と大阪の映画館5館で予定されていた在日中国人監督李纓氏のドキュメンタリー映画 『 靖国 YASUKUNI 』 の上映が中止された。
その発端は、某週刊誌がこの映画は “ 偏向 ” と決めつけ、それを受けて、自民党議員が問題にして、公開前に事前 “ 検閲 ” をしたからである。自民党の国会議員たちは、文化庁が助成金を出して作成された映画であることも問題にしているという。
私、松本文六は、どうしてこうも度量の小さい国会議員が多いのかと情けなくなる。ドキュメンタリーをつくるのはその製作者の視点がはいるのは当然である。一般に公開される前に自民党国会議員の主観から、これは偏向していると断じれば、とりわけ靖国神社と関係の深い右翼団体が動くのは自然の流れである。意識的に偏向であると断じることによって、上映阻止が実現されることを彼らは当初より考えていたとしか思われない。
それが広く報道された途端に 《 とやかく言われる筋合いはない !! 》 とテレビのインタビューに答えていた弁護士出身の女性議員は、ドキュメンタリー映画についてとやかく言わなかったら、今日のような事態は起こらなかったということさえ想像できないのであろうか? しかしテレビに映った顔は大変悔しそうだったのをみると、やはり、想定内のことだったと推測される。
靖国神社問題は未だに保守政治家と右翼にとっては神聖にしてその過去にまつわる事実さえ触れるべきではないと思っているらしい。過去の事実を事実としてありのままに語ること自身が恐いのであろうか? 彼らの心情は私、松本文六にとっては全く理解できない。
戦争に行って戦死したら靖国神社に神として祀ってあげるという徹底した教育を行い、多くの青年たちを戦地に送りつづけてきたという忌まわしい靖国に関する記憶に耐えられない遺族は沢山いるはずである。とりわけ、真摯なクリスチャンや仏教徒にとっては自らの父や祖父が神として祀られることには嫌悪感を抱くであろうことは容易に想像がつく。名前を消してくれと願い出ても断固として拒否する靖国神社側の精神構造は一体どうなっているのだろうか? きっと、余程の石頭で他人の心の痛みを理解できない構造になっているのであろう。そのような人間がどうして宗教人なのであろうか?
しかし、歴史をひもといてみれば、キリスト教徒が大侵略を行い多くの植民地をつくりつづけ、多くの人間の心と体を踏みにじりつづけてきたこともまた真実である。
人の痛みを自らの痛みとして受容することが、本当の宗教人の心の在り様なのではないか、と私、松本文六は想う。
2008年4月 2日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (19)
時事エッセイ
§ エコ燃料と食糧事情
エコ燃料と称されるもの程ひどい発想はない。世界の食糧事情が一変しつつある。しかし、これよりもっとひどいのは世界のファンドが石油の値上げで一儲けを企んで投機していることである。
私たちの生活そのものがファンドの金儲け行動のために困窮化してきている。ファンドは貧しい国と貧しい人々の熱い血を吸血鬼のように吸い、自らの生を“ 豊か ” にしても決して、結果責任はとらないであろう。貧しい国は倒れてもいい、貧しい人々は死んでも一向にかまわない、自分たちだけが良ければいいという考えが、その根本にあるから。究極のエゴイストである。
因みに、これまで人間が食糧として確保していた、とうもろこしや大豆などを次々にエコ燃料に変えてゆく、少しばかりこれまでより多くの資金を使ったにせよ、より多くのそのエコ燃料を得るために発展途上国により大量に買い取ってゆく。その国に住む人々の食糧がなくなっていってでも。残るのは餓死である。
これは北の豊かな国が南の貧しい国からエコ燃料の素( もと )を買い入れた当初は、その影響が北に及ぶとは考えもしていなかった。しかし、それがはっきりと現われ始めている。日本での食糧価格が急激に値上がりしてきている。そして、日本の庶民の生活をおびやかしつつある。
因みに、最近の食品の値上げ幅をみてみるとよく判る。私、松本文六は、日常生活において食品を自らの手で購入するということをしていないので、新聞の記事をみてビックリしてしまった。
《 値上がり品の値上げ幅 》( 2008.3.30 大分合同新聞より)
<食品>
政府の輸入小麦( 平均 30% ) ビール類…サッポロ( 3~5% )、サントリー( 缶ビール除き 3~5% ) 牛乳…明治乳業 ( 3~10% )、森永乳業( 平均4.7% ) バター…よつ葉乳業( 平均 9% ) 食用油…日清オイリオグループ( 平均 10% ) しょう油…ヤマサ醤油( 平均 11% ) 春雨など…ミツカン( 10~15% ) カルピス…カルピス( 平均5% ) オリジナルチキン…日本ケンタッキー・フライドチキン( 20円 )<運賃>
- 日航・全日空の運賃…国内線 平均9%、国際線( 6~17% )
<電気・ガスなど>
- 東京電力など9社( 66~156円 )、東京ガスなど4社( 6~162円 )
<旭山動物園>
- 市民以外の大人の入園料 580 → 800 円
道路財源問題で、ガソリンの値段がこの4月より一挙に20~25円全国的に値下がりした。そのような店には行列が出来ていたという。テレビで観る限り全国的な現象である。しかし、所得の低い、東北地方のある地域では在庫が枯渇するまでは、現行料金( 150円前後 )でゆくという。
この現象だけ取り上げても、庶民が如何に困窮しているのかがよく判る。暫定税率を廃止に到っただのであるから、次善の策としてどうするのかを政治家は明快に国民に対して示して欲しいものである。議会制民主主義の日本においては選挙がない限り、今の政権を動かす以外方法はないのであるから。しかし、何とも淋しいものである。今の永田町には寂寥感が漂っている。
2008年3月24日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (16)
時事エッセイ
§ 冤罪事件と驕った政治
2004年、実兄を殺害して家に放火し全焼させたとして、殺人と放火罪に問われた、片岸みつこ氏が福岡地裁小倉支部で無罪の判決が下された。これに対し、福岡地裁は19日、控訴をしないと公表。
これは、全くの冤罪(えんざい)事件で、警察がある女性を拘留させている片岸氏の部屋に意図的に入れ、自白を引き出すという巧妙な手口で犯人に仕立てあげたという。
しかも、検察は懲役18年を求刑したというから驚きである。
昨年は鹿児島県警の選挙にまつわる捜査で“ 踏み字 ”を行い、これまた冤罪だった。その冤罪を仕上げた張本人が、県警より表彰されていたというから開いた口がふさがらない。
今の政治は、自民・公明の衆議院での最大多数を傘に驕(おご)りきった政策を次々に出して、国会を空転させながら、それは野党のせいだと毎日のように責任転嫁を行っている。何ともみっともない姿で、これでは国際的に批判され、株が値下がりするのも当たり前である。
自民・公明の驕(おご)りがある意味で、検察・警察にも飛び火しているようにしか考えられない事件ばかりである。
片岸さんを追い込んだ警察と検察は、マスメディアを通してでも本人と社会にきちんと謝罪すべきであるし、何らかの形で処分されるべきではないかと私、松本文六は考える。
自民・公明は、今のままでは政権の座を降ろされるのには間違いないが、その空気を読めないというのはまさにそれぞれの末期状態を暗示しているのではなかろうか。
2008年3月14日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (13)
時事エッセイ
§ 国税庁の職員も唖然とした脱税者
脱税する者は巧妙に脱税すると考えていた、小生、松本文六には、その想いをひっくり返すような報道があった。
父親より相続した59億円余りを、自宅車庫にダンボール箱につめて隠していたという。その車庫に山積みされたダンボール箱に1万円の札束がぎっしり入っており、中には虫食いやカビで保存状態の極めてよくないものもあったという。
一体何のために脱税したのか? と庶民はもったいないなあ!とタメ息をついている。それにしても、国税庁は2004年に父親が死亡しているのに、何で今頃になって逮捕するのか? とあまりにも遅い執行に小生、松本文六は疑問に思う。
国税局の職員も唖然とする間抜け脱税者の脱税をどうして見抜けなかったのか?
陰に極めて有能な会計士か税理士がついていたとか? このような場合、彼らは処罰されないのであろうか? 悪を助ける会計士や税理士は社会的に処罰されていいと思うのだが。
2008年3月10日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (11)
時事エッセイ
§道路特定財源問題
これが国会では問題になっているが、庶民 ( = 自分の生活と仕事に追われて、他の領域について詳しく知ろうとしても、その時間的余裕を持てない人々 ) である松本文六には、問題の本質を捉えることがなかなかむつかしい。医師不足の環境の中では、患者さんの診療に追いまくられて医師自身が医療を良くするために何をすればいいのかとその方策を練り出すのにも時間に追われてできないのが現実である。一人の医師が、こう考えるといってもそれを他の人たちに伝え、意見交換をする余裕と場が持てない。そのために、医療に関して何も判っていない政治家と役人が問題の解決どころか、却 ( かえ ) って現場を混乱させる方策ばかりを次々に出してくる。このような事態は大変危機である。日本医師会や病院団体の役員でさえ、極く少数の者を除いては専従ではない、かけ持ちである。これでは、政策提言に向けての医療界内部の議論の場さえも持てないのは理の当然である。まさに壮大な悪循環である。
このような状況は医療分野だけではない。政治の世界もそうであろう。だから混迷しているのである。
政治の今は、坂本竜馬の時代である。と捉えるべきではないのか。今の政治状況は、黒船来航以後の幕末の混迷の域に達した徳川幕府老中政治と酷似していると、松本文六は考える。
閑話休題。
道路特定財源とは、建前としては、自動車所有者から税として徴収し、それを道路整備に活用する財源を指している。 2008年度のこの税の見込み額は約5兆3000億円という。このうち国に約3兆3000億円、地方に約2兆円が配分されることになっている。ここまでは判る。しかし、このあとのことが判らない。だから議論できない。調べば良いというのだろうが、今その時間的余裕はない。
小生、松本文六が知りたいのは、約5兆3000億円を、暫定税率を廃止したとすれば、税収はいか程になるのか。暫定税率を廃止するとすれば、その差額分は、当分、何で手当するのか。各県知事が問題としているのは、民主党のいうように時限立法の期限 ( この執行の期限は3月末日 ) が間近に控えている現在、廃止すれば良いというが、そうすると、2008年度の予算が組めない、これでは困ると言っていると松本文六は推測する。それに対して、道路財源の一般財源化には絶対反対、10年間すべて道路に使うとまくしたてる冬柴国土交通相、民主党他は税率廃止、環境税への転換と主張するから、ますます松本文六は判らなくなる、理解しにくい。
この際、暫定税率をこの1年だけ延長してくれと与党は主張すべきだ。しかし、暫定税率は2009年度には一旦廃止して、その本来の税率との間に生じる差額分をどうするのかについてこの4月以後、しっかり協議しましょう、あらゆる税制そのものを見直し、増税の形も含めて改めてしっかり協議しましょう、と自民党は何故言えないのか。庶民としての松本文六は呆 ( あき ) れている。皆さんはどうお考えでしょうか?
政治は、国民の生活が困っている時には、即それに対応する必要がある。国民が最も望んでいる方向を的確に捉えて手を打つことが肝要。今の与党・野党とも自らの建前にこだわりすぎ、問題をますます混乱させ、何も解決できないというのが今の政治だと松本文六は考える。
だから、今は竜馬の時代だ!と松本文六は主張している。 KY 政権と KY 野党 !!
2008年3月 8日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (10)
時事エッセイ
§官僚の真理
道路特定財源を使って国土交通省関連の財団法人が、超豪華な自己負担なしの職員旅行を例年やっていたというニュースが流れた。
防衛省守屋事務次官の税金の横流しを通してのゴルフ三昧 ( ざんまい ) については、国民は驚きを越えて憤りを噴出させるのも忘れるほど唖然としてあきれ返ったのは、つい先日の出来事だった。挙げればきりがない程の役人の体たらく。この国は一体どうなっているのだろうか?
元々、今の役人は、2つのことしか考えずに仕事をしているのではないかと、松本文六は以前より公然と言い放っていた。一つの責任をとらないこと、そしてもう一つは自らの老後を如何に優雅に過ごすかということを四六時中追求してきたと。これは、どうも普遍的な真理 ( 官僚の心理、終生目標 ) だと松本文六は確信している。彼らの行動は、この2つの軸で説明するとほとんど可能である。
3月4日、日本病院会の地域医療委員会出席のため上京した。ホテルでかいま見た毎日新聞に面白い記事が載っていた。
先輩と後輩の会話として牧太郎さんはひっそりと語っている。 「 どうしたら出世できるのかな?」 というつぶやきに対し、先輩氏曰く 「 他人のせいにするすべを学ぶことだ 」 と。 続けて、 「 何でも他人のせいにする。絶対に責任をとらない。これが出世の要諦だ。」 「 個人的に責任転嫁することには限界がある。組織的に他人のせいにするんだ。」 さらに、こういうくだりがある。 「 キャリア官僚は1年半位ですぐ異動するだろう。長いこと同じポストにいれば、必ずボロが出る。早く異動するのは、組織的にノンキャリアのせいにするからだ 」。 そして、都知事は無担保・無保証の新銀行東京をつくっておいて、焦げ付きでニッチもサッチもいなかくなったら、旧経営陣のせいだ!と自らの任命責任はないと公言した !!
どちらを向いても偉いさんにはどうしようもない人間ばかりで、憤りと怒りで松本文六はよく死なないもんだとも思う。そう、彼らを追放しない限り、当方もいい死に方はできそうにない。
東大寺の仁王様を忘れずに心静かに頑張ろう。
2008年2月24日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (7)
時事エッセイ
§ズサンな “ 報告書 ” に1億円!
先日、夜の9時、テレビをつけると、道路財源をめぐっての与野党のせめぎ合いがあっていました。
1000頁にものぼる報告書に、随意契約で1億円の研究費が出費されていたといいます。しかも、この報告書の半分は、参考文献、参照文献など外部資料の “ 紹介 ” で占められていると民主党の議員が追及していました。さらに、この報告書を出した官庁=特殊法人(国土交通省所管の “ 公益法人 ” ) 現理事長は建設省の天下りで給与年間1800万円、三度目の天下り先といいます。この天下り官僚の給与と “ 研究 ” 費用はすべて、税金より賄(まかな)われています。
もっと驚くことは、この海外道路情報に関する調査はわずか3ヵ月ばかりで “ 完成 ” し、製本したのはたった3部だけという。民間に補助金を出した時には、しつこく監査するにもかかわらず、身内にはこんな杜撰 ( ずさん ) なことがまかり通るとは !! しかも、自動翻訳されたとみられる意味の通じない部分や、根拠のあやしい引用もみられるといいます。
これこそ厚顔無恥の輩 ( やから ) のやること以外の何物でもありません。東大寺南大門の仁王様はその金網から出てきて、このような輩 ( やから ) をそれこそ完膚無きまで叩きのめして欲しいものです。
仁王様の力でなく、松本文六がやればいい! という声も聞こえてきます。そうしないと、松本文六は想像力のない人間だと侮られますよ! という声も聞こえてくる気もします。
2008年2月23日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (6)
時事エッセイ
§東大寺南大門の仁王像に想う
沖縄でまた、婦女暴行が起きました。このことにヤマトンチュウはあまりにも無神経であり過ぎるのではないでしょうか? 他人のことで自分とは関係ないとでも思っているのでしょうか?
日本人は怒りを忘れた民族なのでしょうか? それとも国による庶民に対する経済的な締めつけで、あきらめきっているのでしょうか? もしあなたの子どもが娘さんが強姦されたら、黙っておられないのではないでしょうか?
他人の痛みは自分の痛みと少しでも感じる想像力は、これまでの教育で喪失させられたのでしょうか?
東大寺南大門には運慶・快慶の合作である仁王像があります。小生、松本文六は、この仁王像は、鎌倉初期の世に対する憤怒の感情を表現したものだと考えています。
何故あれ程の表情が寺の入口にあるのか? これは相当に深く研究するに値することだと松本文六は考えます。
小生、松本文六は、白内障でどうかして欲しいという患者さんとこういう会話をよくします。患者さん、手術するとあなたの顔のしわがしっかり見えますよ、それにあなたがしわがなくきれいな人だなあと思っている人のしわもよく見えてがっかりするかもしれませんよ。そういうことででも手術をしたいというのであればいいんじゃないですか? と話します。
大分県で生れた高名な日本画家、高山辰雄氏の朦朧画は、もしかしたら、白内障の視点で描かれているのではないか? と邪推しています。彼の透明感のある絵には邪心がない、あまりにもきれいすぎます。小生、松本文六には雲上人の絵だと解釈しています。彼の絵には怒りや憤りがないからだろうか。
そういう意味では小生にとって東大寺南大門の仁王像は、小生、松本文六は一度しか見ていませんが、強烈な印象を心に刻みつけられています。
次に会う時には、どういう感慨を持つのでしょうか。何となくもう一度会えば、もっと心がときめき、生気をいただけれるのではないかと思っています。
2008年2月19日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (4)
時事エッセイ
§道路特定財源問題
小生はテレビを見ることが少ないせいか、新聞をみても何が問題か理解できないことがあまりにも多い様な感じがする。松本文六は、今のマスメディアは、速く知らせることのみに汲々として、事件や事実に関するその本質を的確に捉え、それを読者や視聴者に伝えることをおろそかにしているのではないかと考える。
道路特定財源問題について、問題の本質がどこにあるのか、つい最近までサッパリ理解できないでいた。
A君が、少し調べて小生に教えてくれた。自民党や道路族が暫定税率を廃止せずに丸々道路に使うべきだと主張し、民主党は暫定税率を本則 ( といっても1954年―昭和29年に成立した法律 ) 通りにして、ガソリンを25円弱安くすれば良いと主張し、国民の関心を惹こうとしている。しかし、どうもどちらの話もマユツバモノで乗れない感じがしていた。
A君曰く、《 道路特定財源とは、「揮発油税」、「石油ガス税」、「自動車重量税」、「自動車取得税」、「軽油取引税」などからなります。元々、道路に使う目的で徴収する目的税なのです。そして、このうち約3兆5000億円が国に入り、約2兆2000億円が地方に入ることになっているのです。これを国土交通省が暫定税率をそのままにして、全額を道路を造るのに充てるといい、民主党は減税すればいいということで、地方に向けられる約2兆2000億円がいずれにしても宙に浮くことになる!ということで知事達の怒りを買っているのです。それに対して、民主党は地方への税収が失われれば、地方が道路予算として計画していたことが実行できなくなり、同時に、新年度の予算も立てられないとの窮地にたたされることを理解していなかったし、与党は与党で、小泉政権で公共事業費を毎年3%ずつ削減し、その分を一般財源化するという閣議決定さえ無視してすべて道路に振り向けるということを大臣の口から言わしめたために、大混乱が起こったのです。》 と。
小生、松本文六、納得。松本文六は、どういう道路を全国各地で優先して造るのようか、はたまた、高速道路の非常時に使うための電話1台250万円というコストをどれだけダウンさせ、いかに節約するかという視点での見直しをせずにこのようなタレ流し的発想―自らの懐 ( ふところ ) は痛めないで選挙に勝つために国民の歓心のみを目当てにしている政治家のあさましさと、何一つ責任をとらずに済み、自らの老後のことだけ考えていれば良しとする高級官僚の根性にあきれ果ててしまう。
勝海舟のような幕臣、あるいは赤穂浪士の心根のひとかけらさえみられないことに、小生、松本文六は本当に哀しい。
勝は日本の将来を憂えた高級官僚であったし、赤穂浪士は忠実な当時の公務員だった。そして、後者は殿様の代わりに国民と置きかえて考えれば、国民のために何をすべきかわかるであろう。そのような二者の爪の垢 ( あか ) でも現在の政治家と高級官僚には煎じて飲んでもらいたいものだと、小生、松本文六は思うのです。
2008年2月12日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (1)
時事エッセイ
§中国製冷凍餃子
今、中国製の冷凍餃子で日本全国あちこちで、大変な騒ぎです。そして、国産の餃子の“包み”(というのでしょうか?)が大変な売れ方と聞いています。毒がはいっていた!という想いが、そして食の安全性はどうなっている?という想いが、このような大騒動の原因と思われます。
日本側には問題なかったということで一件落着的な雰囲気がありますが、果たしてそれでいいのでしょうか?
メタミドホスは日本では使われていないということですが、形を変えて使われていることを皆さんご存知でしょうか? 『アエラ』2月28日号には《有機リン 日本こそ深刻》…身近な殺虫剤が「毒性30倍」メタミドホスに変化…と書かれています!!
それによりますと、最近、日本で畑作、果樹、家庭園芸などに大量に使われている商品名“オルトラン”(一般名 アセフェート)が実はその本体はメタミドホスということです。
このアセフェートは、生体内でメタミドホスに変化してより強い殺虫効果を発揮するいわゆるプロドラッグ(前駆体*)だそうです。アセフェートが体内ではメタミドホスに変化し、毒性も30倍に強まる特性がある由です。
メタミドホスは、有機リン農薬で、サリンと親戚の物質です。
元々有機リン農薬の歴史は、毒ガス兵器開発の中で生まれたもので、EUでは、各有機リン農薬は厳しく規制されています。しかし、日本では先に冷凍餃子より検出されたジクロルボスやアセフェート(メタミドホス)は、農薬としての規制はほとんどされていないそうです。
この有機リン農薬は、嘔吐・腹痛・下痢などの急性中毒の他に、慢性ないし遅発性の神経障害としての視野狭窄の他に、最近では、記憶障害や、うつ病、人格変化、慢性神経・精神障害を生じたりすると言われており、日本でも早急に厳しく規制される必要があります。
急性中毒症状は、急性胃腸炎に類似していますが、ノロウイルスやロタウイルスなどによる症状と類似していますのが医者としては大変気になります。それは最近とみにこのような急性胃腸炎が増えているからです。中には、有機リン農薬による急性中毒として感染性胃腸炎と診断され治療されている人もいるかもしれませんので、……。
*プロドラッグ……リウマチなどに使用される鎮痛消炎剤は常に胃腸障害などの副作用(強い場合には、胃粘膜を刺激し、出血を来して血を吐いたり、胃に潰瘍を作ったり、胃に穴を開けたりします)がありました。そこで、体内にそのくすりが吸収された後に強力な鎮痛消炎作用を来すようなくすりが開発されました。生体内に吸収された後に強力な作用が発揮されるくすりの前駆体がプロドラッグと呼ばれています。
2007年12月13日
厚労相を問責して何が解決できる?
時事エッセイ
宙に浮いた年金記録5000万件のうち、1975万件の年金受給者の氏名を特定することが困難になったといいます。テレビニュースを見ていますと野党議員が舛添厚労相を「公約」違反なので責任をとれと追及していましたが、私はこれでは問題は解決しないと感じました。
舛添厚労相は社会保険庁の仕事ぶりがここまで杜撰(ずさん)とは想像できなかったために、現状を説明したにすぎないと私は推測します。問題は照合困難な1975万件に及ぶ保険料振込み者の救済をどうするかです。それが政治家の仕事だと思います。
何故このようなことが起こったのか、大切に保管されておくべき紙台帳が何故大量に破棄されたのか、その時の責任者は誰だったのか、という形で追及し、“高級”官僚の“ズサン”な仕事ぶり、無責任体制をどう改善・改革していくのかの方針を引き出すべきであろう、と私は考えます。
問題抽出能力と解決能力と責任能力がなければ、大臣の罷免(ひめん)を要求すれば良いと私は思います。
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