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文六つうしん シリーズ別

混合診療(4件)

2008年3月30日

日本の医療が危ない! (10) 混合診療解禁

混合診療

§ 混合診療解禁と治験

 
朝日新聞が混合診療に関する調査結果を2月9日の be 新聞で明らかにしている。
 それによると混合診療解禁賛成63%、反対10%、どちらとも言えない18%、わからない9%となっている。モニターの2302人の回答割合である。
 しかし、混合診療がどういうものかについてのキチンとした説明した上での調査か、少々疑問がある。
 保険診療(A)を保険外診療(B)と
併せて行った場合すべて全額自己負担になる。このBの部分は、例えば外国ですでに使われているが日本で使われていないくすりを使うような場合を指す。自らのがんの治療を受けるに当たって患者さん自身がインターネットなどで調べて、医者に申し入れた場合では(A)も(B)もすべて自費となる。
 しかし、日本のどこの医療機関でも使えるくすりは保険収載品と呼んでいるが、これとは別枠に、厚生労働省が 《 治験 》 という形で特定の医療機関で使うことを許可している場合に限って(B)は厚労省の決めた額を(A)の部分は保険で賄い、(B)の部分は自費で払うことができる。これを 《 評価医療 》 と呼び、一定の期間を経て保険収載品として認可する。それは、たとえ、外国で認可され、使用されているくすりであっても、くすりの吸収と排泄という過程で出てくる副作用が人種によって大幅に異なることがあるからである。因みに、動物実験で重大な副作用が出てなくとも、人間に適用するととんでもない副作用が出ることもあることを考えればうなずけることである。
 これまで、外国で許可されている新薬の日本の使用許可が下りるまでの期間が、アメリカとイギリスでは1年半位なのに、日本では4年もかかっていた。小泉政権時代、これを種にして混合診療解禁が声高に叫ばれていた。この時の経済財政諮問会議の混合診療解禁の意図は、(B)の部分に制限をつけずに極端に言えば何でもいい、ともかく、(B)の部分のみ自費で支払うようにすればいいという点であった。そして、この(B)の部分を民間の医療保険(アフラックなど)で賄い、(A)の部分を縮小し、(B)の部分を大幅に拡大することを目論んでいた。
 今日、厚労省は、この4月より海外新薬の審査期間を大幅に短縮し、英米なみにするため、審査体制を大幅に強化するという方針を打ち出した。審査員を2007年度に比し3割増やすという。
 これ自身は歓迎すべきことである。
 混合診療の解禁はやはりすべきでない。《 治験 》 という形で特別な体制で解禁を防ぐ心算は国民に薬害・健康被害をもたらさないということである。

2008年1月20日

混合診療とは (3)

混合診療

昨日の続きです。

Q5:もし、混合診療が全面解禁されるとすれば、どういうことが起きるのでしょうか。

A5:脳卒中で片側麻痺になった人たちのリハビリテーションの期間を180日までと制限する制度が、2006年4月の診療報酬改定で出てきました。180日を過ぎれば、自己負担でしのいで下さいという制度です。これでは《俺たちに死ね!》ということではないかと多くの患者さんが怒りを結集して、この制度を大幅に変えさせることができました。
 このように、混合診療が全面解禁されれば、診療が制限されて利用を続けたいのであれば自己負担しなければならなくなります。自己負担が嫌であれば、民間の医療保険会社の医療保険に入って何とかしなさいというのが規制改革会議の考え方です。
 混合診療が全面解禁となれば、Y診療(保険で認められていない診療)に関しては、民間医療保険が私たちの健康問題を金のある無しで差別してくるのは眼に見えています。
 先月上映した映画“シッコ”の冒頭に出てきましたように、事故でくすり指と中指を切断された患者さんに、医療機関は平然と次のように言ってのけます。《これはあなたの入っている民間医療保険では対応できません。くすり指をくっつけるのに1.2万ドル(約130万円)、中指は6万ドル(約600万円)かかります。どうしますか?》 と。
 このような自己負担を大幅に拡げ、高い民間医療保険料を払わないとこのような状況に陥(おちい)らせるのが“混合診療全面解禁”の極めて危険な落とし穴です。


Q6:混合診療全面解禁反対に向け、私にも何かできることがあるのでしょうか。

A6:自己負担を拡大しない、あるいは縮小署名運動などに積極的に参加して欲しいですね。それと医療・福祉・教育をより良くする気持ちのない政党にはあなた及び友人たちの中で拒否権を発動することです。

2008年1月19日

混合診療とは (2)

混合診療

昨日の続きです。

Q3:私は混合診療全面解禁でもよいと思います。保険が利かない医療も受けたいと思うからです。費用がかかっても治るのなら、最先端の良い医療を受けたいのですが。

A3:かつて混合診療が認められていた時期がありました。その時には営利を目的とした医療が全国津々浦々で行われはじめ、大問題となりました。
 現在のサプリメントについても、安全性の保証されないものが多く出現していることを考えていただければ想像がつくと思います。これらサプリメントには多くの問題があり、健康被害をもたらしたものも多くあります。このようなことが医療機関で行われていたために大問題となり、国は1984年に法を改正し、“特定療養費制度”というものを新たに設けました。保険で認められていない診療(Y診療)に関しては、厚生省に特別に申請して認められたもの以外は、保険診療としては認めないという制限を設けました。
 保険が利かない新薬や新しい技術については、副作用や体に悪い作用があるために、誰もが安全に使えるようにしなければなりません。そのためには、一定の試し期間が必要です。今のところ、試し期間にそれを受けたい人に対しては特定の医療機関(例えば大学病院など)に限って可能という制度になっています。それを無視して、それぞれの医療機関が勝手に行いますと、医療被害が生じます。C型肝炎やエイズを起こした血液製剤は、保険に適用した時点では国が安全として認可しましたが、大変な医療被害を起こしてしまいました。
 安全性の保証が不要という場合には闇でそれを受けることになります。かつてこのようなことで医療被害が多くなって来ましたので、先にふれたように1984年に法を改正して混合診療を禁止したといういきさつがあります。
 混合診療禁止のキーワードは安全性の保証です。


Q4:混合診療全面解禁が内閣に設けられた『規制改革会議』でも話題となっているのはどういうことでしょうか?

A4:それは、国として医療費を抑制するために、そうしているのです。混合診療を解禁して、保険で賄うX診療(保険で認められている診療)の幅を少なくして、保険外診療の枠を広げれば、医療費を抑制することができると考えているからです。

2008年1月18日

混合診療とは (1)

混合診療

“混合診療”についての疑問がいくつか寄せられています。

Q1:混合診療禁止とはどういう意味ですか?

A1:保険で認められている診療(Xとします)と、保険で認められていない診療(Yとします)を同時に受けることを“混合診療”と呼んでいます。
 国は、このような(X+Y)という診療を基本的に認めていません。これが混合診療禁止という意味です。
 したがって医療機関が、X以外にYの診療を同時に行った場合には、国は病院や診療所に費用(診療報酬)を払わないばかりか、医療機関を保険医療機関として認め(→保険証が利かない医療機関と認定=自由診療のみは認める)ないという罰が科せられます。
 そのために、患者さんから保険の利かない診療を求められれば、医療機関はXもYも同時に全額自己負担として患者さんに要求せざるを得ないことになります。


Q2:混合診療全面解禁とはどういうことですか?

A2:(X+Y)の混合診療を行った場合、Xは保険診療として3割自己負担として払い、Yの費用のみを全額自己負担という形にするという主張を指します。
 経済財政諮問会議の経済学者が特にこのことを数年前より強行に主張しています。

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