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文六つうしん

2009年11月のアーカイブ

2009年11月 9日

医療崩壊は病院の危機、とりわけ民間中小病院の危機!!(2)

地域医療

今、医療崩壊が集中しているのは、これらの中小病院です。  
  このことについて、国の各種審議会のメンバーはどの程度認識しているのでしょうか? かなり疑わしい気がします。それは、診療報酬体系そのものが、大病院≫診療所>中小病院>有床診療所という形で傾斜配分されているからです。これでは、中小病院を本気で潰(つぶ)そうとしているのか、国の各種審議会のメンバーが現場認識を全く持ち合わせていないか、地域住民のいのちを軽く捉えているのか、としか考えられません。

地域住民・国民のいのちを軽んじている診療報酬体系

(1)平均在院日数短縮化競争
  近年の日本における病院経営は極めて厳しいので、全国の病院経営者は、経営改善のため、すさまじい努力をしました。平均在院日数が14日を切れば褒賞金(加算)がつくからです。
この平均在院日数短縮化競争は、医療現場に日々関わっている医師及び医療従事者に精神的肉体的疲弊をもたらしています。また、医療現場での患者の暴言・暴力は、病棟や外来での患者さんとしっかり向きあった医療提供ができないような環境がその背景にあるのは間違いありません。
1990年代イギリスの元首相サッチャーは医療に経済原理を大幅に導入しました。このイギリスの新自由主義に基づく医療政策は、《ゆりかごから墓場まで》といわれたイギリスのすばらしい医療・福祉を完全に崩壊させました。その結果、2000年前後のイギリスの医師の自殺率は他の専門職の2倍、看護師のそれは 何と4倍に達したといわれています。小泉政権の緊縮財政と、聖域なき構造改革は、まさに日本の医療をサッチャー式医療崩壊の道へと邁進(まいしん)させてしまいました。
因み(ちなみ)に日本病院会に加入していた200床未満の病院の退会理由(2004.4.5.~2009.5./153病院)を調べ ると以下の図のようになっています。

やはり、“聖域なき構造改革”によって中小病院は消えつつあります。
また、2006年から2007年にかけ99床以下の91病院が姿を消しています。

北海道および大分県の入院基本料と届出実態
 
(2)看護基準とりわけ7:1の入院基本料  ~中小病院が消える、、、、~
 表2は、2006年の7:1等の看護師配置基準が導入された折の北海道(2006.9.30)と大分県(2007.1.31) の取得病院分布ですが、13:1以下のかなりの中小病院は、閉鎖あるいは縮小を余儀なくされてきています。
へつぎ病院でも、7:1の改定がなされて間もなく大学病院等より4人の中堅看護師が引き抜かれ現場は大変な混乱に陥りました。様々なセミナーや講習会に参加させ、中堅指導者として育成してきた看護師が一挙に病棟より消えたため、現場は動揺し離職者が次々に出てきました。この中堅クラスの看護師は新人教育の中心メンバーであったので、その後の新採用看護師の指導体制は一挙にくずれてしまいました。最近はやっと落ち着きを取り戻していますが、なお質の向上には、これまで以上に力を要す状況となっています。このように中小病院の看護現場が大変な情況に陥っているのは、へつぎ病院のみならず全国共通の矛盾であると考えられます。大病院は黙っていても看護師が応募してくるので、このような事態は決して起こりません。
 医療面での不均等発展、格差拡大及び混乱をもたらしたのがこの7:1看護基準であることを、大学・大病院・医療審議会に属するいわゆる“有識者”は、しっかり認識して欲しいものです。