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文六つうしん

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2008年8月14日

医療崩壊とは? (2) - 1

医療政策

§ イギリスでの医療 “ 改革 ” の大失敗 ①

 1990年、イギリスの当時の女性首相は、

 イギリス最大のスーパーマーケットチェーンセインズベリー社の会長グリフィス(Griffiths)氏の報告に基づき大医療 “ 改革 ” に着手した。
 その基本的考え方は、以下の2点であった。

  ① 医療に市場原理を導入する
  ② 医療費を抑制しても医療の質は向上する

 ①については、医療に民間マネジメント手法を導入し、競争原理を入れる、株式会社の医療業への参入は、認めるというものであった。

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 小生、松本文六が医学生だった頃、大学の教官は、《 イギリスの医療は、ゆりかごから墓場までという思想に基づいて展開され、すばらしい。 》 と、イギリスの医療制度をほめちぎっていた。それは一人だけの教官だけではなかった。異口同音に唱えていた。
 しかしながら、このサッチャーの医療 “ 改革 ” は大失敗であった。当時のイギリスの医療危機は救われるどころか、悪化の一途をたどり、“ 第三世界並みの医療 ” に堕してしまった。具体的には、入院診療を受け入れない事態が発生した。1998年(ブレア首相の就任2年目)には、何と人口の約2%に相当する入院待機者が130万人に達していたという。100万人を切るのに5年かかったという。2004年10月の入院待機者は、それでも857,221人いたという。
 日本の長期療養施設(特養)待機者は2007年の時点で24万人という。2012年3月までに38万床ある療養病床を15万床にするという方針を国は出している(この8月になって、22万床と緩和されたが)ので、これに23万人に加わり合計47万人の待機者がいることになる。日本ではこれだけの待機者は、人口の約0.4%弱であるから、イギリスの医療崩壊は、現在の日本からすると、想像を絶する数字である。
 1990年に着手したサッチャー医療 “ 改革 ” により、イギリスの医療は崩壊し、10年後においても解決されてはいない。この事実を真摯に受け止め、現在の日本の医療を崩壊させないためには、どうすればいいのか、私たち、日本人はしっかり考えてゆかなければならない。

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