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文六つうしん

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2008年5月12日

人は旅をして気をもらう (4) 鳴門

§ 壮大なる偽物絵画を観る! ⑤ 大塚国際美術館

 環境展示より、系統展示の部屋へと移る。
 古代の部の圧巻は、紀元前100年頃の 『 アレキサンダー・モザイク 』 と呼ばれているものである。これは、ポンペイの 「 ファウヌスの家 」 と呼ばれる邸宅の一室の床を飾っていたモザイク画で、縦313cm、横582cmの大きなものである。これは、アレクサンドロス大王と、ペルシャのアケメネス朝最後の王ダレイオス3世の戦闘場面を表現したものだ。一辺7~8cmの正方形のモザイクがビッシリ埋め込まれていて一幅の絵となっている。一部はヴェスヴィオス火山の大噴火のせいで欠落しているが、当時の権力者の勢威をも感じさせるものである。
 古代は、ほとんどが遺跡から出土したものの複製であるが、アッティカ最大の陶工・陶画家であるエクセキアスの壺の複製(平面化したもの)の画(紀元前530年頃)は惚れ惚れとする線描で、お金があれば、すぐにでも買いたい衝動に駆られる傑作である。
 ポンペイの出土品には、大噴火の “ お蔭 ” で優れた画面を彷彿 ( ほうふつ ) とさせる色彩を残している。
 中世にはいると、ほとんどがキリスト教に関する絵画である。そのあとに続くルネサンスは誰もがよく知っている名画が次々に出てくる。ミケランジェロ、ラファエロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アンジェリコ、ボッティチュリ、ジョルジョーネ、……と。
 ラファエロの 『 アテネの学堂 』 の、プラトンとアリストテレスは、何度か、雑誌などで眼にしていたが、こんなにも大きいものとは想像だにしていなかった。577×817cmのフレスコ壁画である。

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの、かの有名な 『 最後の晩餐 』  の修復前と修復後のテンペラ壁画の2面が一室に対座する形で展示されている。これもまた、すさまじく大きい。420×910cmである。キリストの正面左側の像は修復後明らかに女性であると判明し、恐らくこの女性はマグダラのマリアだろうと言われている。『 モナ ・ リザ 』 もあった。
 ボッティチェリの 『 ヴィーナス の誕生 』  は、装飾的な絵画で、ラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチの人間を感じさせない絵である。この時期には、絵画表現に名を借りた官能的な絵も随分作られたらしい。
 ヒエロニムス・ボスの 『 快楽の園 』 の左翼の絵は地獄図だが、仏教の天国と地獄とほんどの変りない。悪いことをすると閻魔さんから舌を抜かれるぞ!と子供の頃、親から脅かされたのと同じ場面が描かれており、キリスト教でもそうだったのか、と少々驚いた。それは仏教の中だけの話とどこかで刷り込まれていたせいなのだろう。キリスト教では天に召されるということだけを聞いたような変な記憶がある。地獄があろうとはこの時まで考えたことがなかった。ミケランジェロの 『 最後の晩餐 』 の壁画の下段には、しっかりと地獄が描かれていたが、ボスの方の地獄図の方が先のような気がするが、15世紀には、地獄の話は一般化していたのであろう。と勝手に想像している。

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