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文六つうしん

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2008年5月22日

死に場所づくり (1) - 3

エッセイ 1

§ 「水戸黄門」と老人たち ④

 生存することで精一杯であった 今の入所者たちの世代の人々にしてみれば、過去の自らの体験では決して得られなかった安心感が「水戸黄門」にはある。葵の御紋によって常に保障されているこの安心感は何者にも替え難いものかもしれない。決して裏切られることはないこの安心感は、価値観を180度も転換せざるを得ない状況では決して得られるものではなかった。
 「相撲」は一つの戦いである。負けたほうも決して死なないとう安心感。明日は勝つかもしれないという希望のもてる戦い。これこそ戦争に対する無意識の明快な拒否の態度表明ではなかろうか。
 だから、「水戸黄門」と「相撲」は彼らに愛されているのであろう。そのような彼らに対して私たちは一体何を提供することができるのであろうか。
 
*初出 月刊 総合ケア Vol. 3 No. 9 1993.9

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