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文六つうしん

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2008年4月14日

何のため誰のために医療をするのか?

エッセイ 1

§ 医者としての第一歩 ③

 ファントム墜落前に苦悩していた私自身の転部の方針は吹き飛んでしまいました。あのようなスローガンを掲げた以上、臨床医にならざるを得ないと最終学年に至ってはじめて自らの将来についての方向性を決定できました。
 様々な経緯の中で、三年遅れて卒業することになった71年春、臨床をするとすれば外科か、しかし、大学当局のブラックリストに載っているとすれば、指導医に迷惑がかかるかもしれない、内科であれば、患者さんと教科書・文献に教えてもらいながら努力すれば何とかなるのでは? という想いで研修先を探しました。
 しかし、大学での研修はできない、お前たちには外国へのビザも下りないという話もあり、周囲の道はすべて塞がれていました。また、運動に関係した多くの先輩や友人は福岡の地から離れて行きました。九大の関連病院である福岡市内の内科研修ができそうな病院を7~8カ所当たりましたが、すべて断られました。唯一、九州中央病院の三宅博院長(当時九大第一外科名誉教授)からは来ても良いというお言葉をいただきましたが、《 但し、無給である 》 と言われ、学生結婚をした以上、親からの仕送りは断たなければならないし、運動の中で無給医制度反対を唱えていましたので、入職を断念しました。何人かの先輩が私のことを心配して下さり、結局、福岡市東区の千早病院小児科(国家公務員共済組合連合会)に職を得ました。
 学生時代あまり医学の勉強をしていませんでしたが、臨床力のある原醇小児科医長の下で何とか医者としての技量を身につけることができました。千早病院在籍中は、注射による筋短縮症・未熟児網膜症問題に取り組み、日本小児科学会の保守的体質を打破し、教科書の2行位を書き換えさせることができました。

初出 九大医学部同窓会誌 『 学士鍋 』 第125号 2002年12月20日発行

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