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文六つうしん

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2008年4月 9日

私の原点

エッセイ 1

§ 父と天心堂 ③

 名誉院長が逝って7年、その間、天心堂は個人から財団の医療法人となり、今年 (1985年 ) 3月18日には特定医療法人となった。そして、今、病院全体は飛躍の時期に来ている。その礎を築いたのは、名誉院長が1934 ( 昭和 9 ) 年以来、40有余年に亘って骨身を惜しむことなく、地域住民の健康保持に邁進して来られたことにある。天心堂がここまで発展して来たのは、この天心堂の医療を、目に見えぬ形で非常に強固に支えて来た名誉院長に対する地域の人々の厚い信用と信頼による。確かに我々も頑張った。しかし、名誉院長の40有余年に亘る実践活動は、我々の努力と頑張りをはるかに凌駕している。この地域からの名誉院長に対する厚い信用と信頼が、 < 名誉院長のつくった病院だから間違いなかろう! > という形で、今ある天心堂を支えていること。これを私達は決して忘れるべきではなかろう。
 今私達が、天心堂の飛躍へ向けて真剣に考えなければならないことは、地域からの名誉院長に対するこの厚い信用と信頼がどこから生まれたのか? ということである。それを明らかにし、それに学び、そしてそれを私達が継承することである。古き良きもの ―― それは時代を越えて生き続けるという普遍性をもっている。私の父が言ったことだから、父が実践して来たことだから、ということではない。誰であろうと、その実践して来たことが、普遍性をもつものであれば、私達はそれを継承すべきだ。名誉院長の足跡を振り返り、顕彰し、それを現在に生かし発展させること。それが今私達に課せられている重要な任務だと思う。

初出 「輝かしき陽光のかげで ― 故 ・ 松本弘の想い出 ― 」 1987年9月1日発行

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