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2008年3月 9日

日本の医療が危ない (6) 後期高齢者医療制度の即時廃止を!

経済・政治・国際

§後期高齢者医療制度の即時廃止を !!

 私は、本年4月より実施予定の 『 後期高齢者医療制度 』 の廃止を求めます。それは、世界に冠たる社会保障制度として国際的に評価されて来た日本の国民皆保険制度そのものを崩壊させる思想と仕組みが内包されていると考えるからです。
 1961年に発足した国民皆保険制度は “ 救貧より防貧! ”を 中心思想として出発しました。それは確かな歩みを進めて来ましたが、混合診療解禁と株式会社の医療業参入を推進して来た小泉政権の時代に急転回させられはじめました。社会保障の根幹をなす “ 公助 ” を削減し、 “ 自助 ” に相当する自己負担を大幅に増やすことにより、日本の医療の最大の特徴であるフリーアクセスが崩れはじめました。さらに、医療・福祉・介護・教育・保育の分野に市場原理が導入されることにより、医師及び多くの医療従事者が疲弊してしまい、医療機関の経営危機を招来し、医療崩壊の道に突入させられてきています。これに伴い、医療受給環境は極端に悪化してきております。
 このような中で、年金でしか生活の糧を得られない高齢者に、医療を受ける権利を奪ってしまう仕組みが内包された後期高齢者医療制度が実施されようとしています。その仕組みの問題点は以下のように多岐にわたります。

  1. 相次ぐ年金の切り下げ、定率減税の廃止、扶養控除の廃止、介護料の天引き等が続き、手元に残る高齢者の年金は大幅に低下しています。
  2. その上に、後期高齢者医療制度の保険料を天引くことになりますと、ますます受取る年金が少なくなります。
  3. また、現在給与所得者の扶養家族になっている高齢者約 200 万人は、新たにこの保険料を納入しなければなりません。75才以上の夫婦二人暮らしの場合、この制度は個人単位ですので別々に2人分の保険料が引かれます。これらは高齢者個々人に対する実質的な “ 増税 ” に等しいとも言えます。
  4. 現在75才以上の高齢者で、国保料及び介護保険料の滞納者が約1割いるといわれています。この人たちは、後期高齢者医療保険料も必然的に払えなくなることは目に見えています。その場合は、資格証明書 (*) が発行され、医療機関にかかる時は、いったん10割全額を現金で払わなければなりません。このような人たちは、継続して医療を受けることができるのでしょうか?
  5. しかも、自治体によって後期高齢者医療保険料の額にはバラつきがあります。財政力豊かな東京都練馬区では、旧ただし書き所得別 (*) の保険料を従来の国保料と比較しますと、年収 235 万円以下の人たちは保険料が割り増しとなり ( 最大 120.9% ) 、285万円以上の人たちの保険料はむしろ減額 ( 最大マイナス 23.7% ) になります。低い年金生活者の保険料は増え、より高額所得者の保険料は減る仕組みとなっています。低所得者により多くの負担をさせるということは社会保障の理念に反します。 < 3月4日の図表を参照して下さい。>
  6. この制度での医療費総額が予算をオーバーしますと、その超過分を保険料の値上げで賄わなければなりません。75才以上の高齢者に加えて65才以上の障害をもったハイリスクグループで保険料を負担するのですから、ゆくゆくこの制度の財政破綻 ( はたん ) は火を見るより明らかです。その場合には、さらに資格証明書の交付される高齢者は確実に増えます。
  7. 後期高齢者医療制度の診療報酬は包括制となっていますから、75才未満で受けられた医療に比べると、粗診粗療を強いられることともなります。元厚生省の局長まで務められた現大阪大学教授の堤修三氏は、この制度は 《 たちまちのうちに “ うば捨て山制度 ” と化すだろう 》 と明言されています。

 とりわけ、高齢者は経済的基盤が弱いため、受診を控えざるを得ず、必然的に重症化して受診することとなり、結果として高齢者の死を促進させることとなります。
 現在の高齢者の多くは、青年時代には 《 若者はお国のために死んでくれ 》 と言われて戦場に送られ、1945年の敗戦後は日本の再生のために必死に働き続けて、日本を世界第2位の経済大国に押し上げてきました。このような高齢者に対して、この後期高齢者医療制度は、まさに、《 お年寄りお国のために死んでくれ 》 と言わんばかりの制度です。 《 一患者一医療機関 》 という制度の縛りの中では、実直な高齢者は転医することさえできないでしょう。
 さらに、この制度には1~7まで触れましたように、受けられる医療を年齢によって区別し、弱者は救済され得ないという制度ですから、日本の社会保障制度の根幹を崩壊させる制度でもあります。
 以上のような理由で、私はこの制度の廃止を求めます。さもないと、この制度が他の社会保障制度そのものまで侵蝕し、日本の社会保障制度は完全に崩壊させられてしまいます。

   後期高齢者医療制度の即時廃止を求めます !!



「資格証明書」 国民健康保険税を特別な事情もなく1年以上滞納すると、保険証を返還し、変わりに交付される証明書。

「旧ただし書き方式」は、総所得額等の合計額から基礎控除額(33万円)を差し引いて所得割額を計算する方式。国民健康保険法施行令第29条の7第4項。

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