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2008年2月21日
日本の医療が危ない! (3) 医療事故
医療事故
§今、医療界では何が問題となっているのか ①
―『診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案』
現在、医療に関する新聞やテレビの報道は一日も欠かさない程よくみられます。
その中で、ここ数年、医療訴訟が急激に多くなってきています。そのために、医師一人ひとりが、いつ裁判に訴えられるかもしれないと、ごく一部の医師を除いて、戦々恐々として “ 保身診療 ” に走っている傾向があります。
《 こんな重傷や重症の患者さんを診 ( み ) ていて、万が一トラブって、訴訟に巻き込まれたらたまらない!》
ということで、時には診療を拒否する傾向が出てきています。
医師も人間ですから、間違いを犯すことはあります。ところが、最近のマスメディアの報道を注意深くみていますと、すべての地域で最高の医療が受けられるのが当たり前だという論調が目立ちます。そして、健康保険で受けられない治療が沢山ある、厚生労働省は早く認可すべきであるという形のニュースがしばしば流れます。このような中で医療不信が次第に強くなり、モンスターペイシェント ( Monster Patient 怪物のような患者 ) が出現しています。
このような医師と医療機関と患者さんの信頼関係をこれ以上こわすべきではない。《 診療行為には、一定の危険を伴なうものであり、場合によっては、死亡等の不幸な帰結 ( 結果 ) につながる場合があり得る。》 このように 《 不幸にも診療行為に関連した予期しない死亡が発生した場合に、遺族の願いは、反省、謝罪、責任の追及、再発防止であると言われる。》
そこで、厚生労働省は、医療事故調査委員会なるものを設置して、死因の調査や臨床経過の評価・分析等をして、同じような事故が再び起こらないようにしたい。と 『 診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 』 ( 以下、『 試案とします 』 )を、昨年10月に発表しました。この内容には随分問題があります。
この問題について、以下数回にわたって述べさせていただきます。
そもそもこのような事態が何故起こったのか? といいますと、2004年12月17日に、福島県立大野病院で帝王切開中の出血により患者さんが死亡しました。その当事者であるK産科医が、1年2ヵ月も経った2006年2月18日、業務上過失致死罪及び異常死の届出義務違反 ( 医師法違反 ) の疑いで逮捕されました。
このケースは、産婦人科医が一生に一回遭遇するかしないかという程、稀な症例で、救命することの可能性が低い事例でした。そのため、産婦人科医の中だけでなく医療界で大問題となりました。
日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会から問題ありとの声明が相次ぎ、日本母性保護産婦人科医会は、以下のような声明で、この事態を全面的に批判しました。
《 このように稀で、救命する可能性の低い事例で医師を逮捕するのは産科医療、殊に地域における産科医療を崩壊させかねない。》
現に、この事件を契機に全国あちこちで昼夜を問わず、地域医療に貢献している医師たちは 《 こんなことではやっちゃおれん !! 》 とその診療意欲は著しく低下し、産科領域から撤退する産婦人科医が続出しました。
ちなみに、大分県でもそれが現実となってきています。お産を扱う医者が極端に少なくなってきています。2004年12月には、中津・国東市および佐伯市には、それぞれ10名、6名の産科医がいましたが、2008年1月には、何と、それぞれたった1名となってしまいました。
このように大野病院の “ 事件 ” 以来、全国から産科領域から手をひく医師が一挙に増えました。この “ 事件 ” 以外に、医療の領域にも競争原理=市場経済主義が次々に導入されることにより、勤務医は疲弊し、全国的に病院閉鎖や診療科の縮小・閉鎖が起こり、大問題となっています。
このような中で、国もどうかしなければならないということで、冒頭の 『 試案 』 を出してきたのです。
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