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2008年02月のアーカイブ
2008年2月29日
人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
旅
§五島列島 ⑤
たった2日の旅の想いを長々とここまで記すとは…。
元々は椿の里をみに行ってみようかというところからこの旅は始まった。五島の椿は、玉之浦椿といって、花弁の外側が白の白覆輪を持った椿である。時期が早かったのか、椿の原生林に行ってもパラッパラッとしか見れなかった。
キリシタン弾圧と迫害の歴史とは別に、五島は、遣唐使にも関係した地であるということで、改めて、日々の診療の中で、歴史と程遠くなっていることに唖然とさせられた。日常の中に埋没してしまって、感性が少々鈍くなっているのではないかと実感させられた旅であった。
ところで、旅の中で、その地方の食は一つの楽しみでもある。小生、松本文六は、食べ物の好き嫌いは全くといっていい程ないので、海外旅行でも、その地の食べ物を食べ、日本食の梅干しやインスタント味噌汁などは持ち込んだことは全くない。
五島での味覚はなかなかのものであった。夕食はホテルではなく、バスで20~30分程離れた海水浴場傍の椿茶屋というところでとった。3分の2畳程の大きな囲炉裏に4脚の大きな網を据え、その上で魚・貝などを炭火で焼く。最初の焼きあがりは鯵と緋扇貝と骨付きのカシワだった。鯵が家で食べるのと違って軟らかく香ばしかった。獲れたての魚は焼けばこんなに軟らかいのかと認識を新たにした。他に大きなイカを10人で分け、野菜、ソーセージなど焼肉をするように炭火で焼くのである。最後には五島牛が出たが、軟らかいのに驚いた。特段の手当はしていない肉ということだった。この軟らかさを知ると、アメリカで革靴をかじっているのではないかと思ったステーキのことを想い出した。椎茸、野菜他すべて地元産のものということで何か嬉しくなってしまった。これこそ地産地消だ。土産に買ったカマボコは色あいはよくなかったが、一切の添加物のない五島産のもので、食べると、これがまた味がいい。近所で購入したカマボコとどうしてこうも差があるのかと感心してしまった。
椿には縁がなかったが、キリスト教の弾圧と迫害の歴史と五島の食文化に接することができたのは、わずか2日間であったが、何か心が豊かになったような気がしてひどく嬉しくなった。
2008年2月28日
人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
旅
§五島列島 ④
五島は、日本のカトリックのメッカという気がする。あの狭い島々の中に何と五十余りの教会があり、すさまじい弾圧の歴史を伴っているのであるから。
日本とカトリックの出会いは、ポルトガル人が種子島に上陸した1543年のわずか6年後の1549年であった。この年の8月15日をフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸した日とするのがカトリック関係者の中での了解事項らしい。ザビエルが1546年、マラッカでヤジロウという日本人に会って日本への布教を思い到ったという。
その後宣教師が渡来し、布教活動を行い、徐々に信徒が増えていったという。1562年、五島の領主宇久純定が病気のため宣教師トーレス神父に医者の派遣を依頼。日本人医師ディエゴを派遣したところ、純定は数日で全快し、五島での布教の許可をしたという。ある本によると、1563年、肥前大村藩主大村純忠が改宗したのをはじめ、高山右近、大友宗麟などが相次いで受洗したという。
しかし、1587年、豊臣秀吉は九州箱崎 ( 福岡市 ) で突然宣教師追放令を出し、キリシタン弾圧に乗り出した。その10年後の1597年に 《 日本・26聖人 》 殉教。この時、五島出身のヨハネ草庵も殉教する。
さらに、1614年1月31日、徳川家康はキリシタン禁令を発布。全宣教師を追放し、密かに宣教を続けていた神父や修道士、彼らをかくまった信者たちは、次々に処刑された。踏み絵制度などで、この禁教令は年々厳しさを増し、また、懸賞金つきで宣教師を捕え処刑したりした。これらの制度は250年間続いたという。
しかし、この間、信仰は深く深く潜行し続けて行った。このような信者を “ かくれキリシタン ” とか 《 はなれ 》 とか呼ばれ始めたのはいつ頃だったのだろうか? 表向きは仏教徒を装いながら、秘密裏にキリスト教信仰を守り続けた。この “ かくれキリシタン ” が歴史の表舞台に立ったのは、1865年2月19日、長崎にフランス寺と呼ばれた大浦天主堂の建物ができた時である。キリスト教を密かに信仰していた農民十数名が自らキリシタンであることを告白したことに始まるという。
その3年後の1868 ( 明治元 ) 年に先に述べた久賀島の “ 牢屋の窄 ( さこ ) ” 事件が起きている。また、1870 ( 明治3 ) 年には浦上のキリシタン約3000名が流刑にあったという。
ところが、このようなキリスト教徒への弾圧と迫害が人権侵害として外交問題に発展し、1873 ( 明治 6 ) 年に250年以上続いたこの “ 禁教令 ” は終りをつげた。
五島にキリスト教を伝えたのは、アルメイダとロレンソと堂崎天主堂の庭園に記されているが、このアルメイダが大分に南蛮病院を開いたというアルメイダと同一人物かどうかは、小生、松本文六は知らない。
― つづく ―
2008年2月27日
人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
旅
§五島列島 ③
福江島の北にある久賀島には、すさまじい建物があった。楠原の牢屋跡で、1868年、ここにキリシタン200名が投獄されていたという。
幕府は、キリシタン撲滅の一手段として宗門寺法を定め、子供が生れると、宗門帳に記入させ、死ねば僧を招き、お経をあげ 『 キリシタンにあらず 』 の証明がなければ葬式も許されなかったという。また、2年に何回か、お寺に参り、僧にお布施をし、神棚を設け、仏壇を備え、香・花を供えることを義務づけたという。
この法式に則 ( のっと ) ることは、キリスト者には耐えられず、これを拒否したため、1868 ( 明治元 ) 年の迫害が始まったという。
1868年11月12日、23人のキリシタンが捕えられ、福江城下の牢に入れられ拷問にかけられた。その拷問には、呵責、火責め、算木責、晒し責、押しから責、竹責、十手責、氷責、水責などだった。
- 算木責 … 三角に削った木を3本並べ、その上に正座させ、大石 ( 2人で持ち上げうる位のもの ) を2個膝の上に重ねる。石をゆさぶって痛めつける。
- 晒し責 … 裸にして木にしばりつけ、吹雪の夜、丘の上に立たせる。
- 押しから責 … 算木責の一種で、算木の上に膝を立てさせ、下腱に石を積み、腱と脚の間に棒をさし入れて前後に動かして苦痛を与える。
- 竹責 … 周囲9~12センチ、長さ150センチ位の青竹で力まかせに背中や胸を叩く。3~4回叩くと割れてしまう。
- 十手責 … 耳、口等に十手を押し込む。鉄の十手で叩く。
- 火責 … 真赤に焼けた木炭を掌にのせ、火吹竹でプープー吹く。火は掌の上で燃え、皮膚を焼く。
その後、全島のキリシタンの老若男女、幼児までが、合計 200人近い信者が、前の23人とともに久賀島の牢にとじ込められた。その牢の広さは6坪で、中央を厚い板で仕切り、男牢と女牢に分け、二百数十人を押し込め、ピッタリと戸を閉め切ったという。言語に絶する状況であったという。食べ物は小さなさつまいもを朝に一切れ、夕に一切れ支給。老人、子供、幼児は飢えと寒さのため次々に死亡。大小便たれ流しだった。最初に死んだ79才のパウロ助市の死骸は5昼夜牢内に棄ておかれていたため、大勢に押し潰されて平たくなっていたという。このような状況の中で蛆虫が湧き、中には13才のドミニカは下腹部を噛み切られて死亡したという。
まるで、ヒットラーのユダヤ人の虐殺のガス室よりももっともっと悲惨で残酷な恐るべき弾圧だった。
牢内に囲まれること8ヵ月、一般信者はすぐ解放されたが、リーダー達はそれから2年有余後に解放されたという。その間牢内で死亡した者39人、出牢後死亡した者4人を数えたという。
35才のリーダー惣五郎の拷問はすさまじく、6種類の拷問にかけられたが、それらすべてに耐え、《 どうされてもキリスト教を棄てませぬ 》 と最初の信念を守り通したという。
このようなキリスト者の固い志にまみえると、かつて60年安保世代のリーダーの1人だった故 島成郎氏の言葉を想い出す。1970年代半ば、注射による筋短縮症の検診で訪れた沖縄の地で、保健師さんの紹介でお会いした折、何の話だったか想い出せないのだが、《 変な左翼よりもキリスト者の方がよっぽど信用できるよ!》 という言葉だ。 “ 牢屋の窄 ( さこ ) ” の狭い空間の中で信念を曲げなかった人たちの姿と島氏の言葉が二重写しとなって目に浮かんで来る。
すごいなあ! と想う。このような話を幼児期から聞いた子供達の目はいつまでも澄んでいるのだろう。
― つづく ―
2008年2月26日
人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
旅
§五島列島 ②
今でこそ、信教の自由が保障されているが、昔はとんでもないことが行われていたようだ。高校の世界史の歴史の中で、キリスト教がイスラム教徒を異教徒として討伐するために、1096年から13世紀後半に至るまで7回にわたって行われた遠征を教わった時、キリスト教は愛の教えを説いているのに、どうしてこのようなことをしたのかとひどく途惑い、大きな疑問をもっていた。それについては、教師は何も教えてくれなかった。
大学に入学して、留学生に誘われてキリスト教会に一時出入りしていたが、牧師と司教の区別も判らないまま、それを止めてしまった。それは、そこの牧師と司教があまりにも俗っぽいことに気がついたからである。それ以来、小生、松本文六は彼らのことをエセ坊主と呼んで、彼らと親しくなる気にはなれなかった。その後、真摯なキリスト教徒にお会いして、彼らをエセ坊主と呼ぶのはやめてしまった。
ちなみに、牧師はプロテスタント教会の聖職を指し、カトリック教会のそれを司教という。
また、豊臣秀吉が、1587年に宣教師追放令を発布し、キリシタン弾圧を始めたのは、彼らが封建支配に反対し、暴動を起すのではないかと恐れたと高校時代に教わったが、その弾圧のすさまじさには、この年65才になってはじめて知ることとなった。だから、人は旅をやめられないのだと思う。
福江島の堂崎天主堂には “ 26聖人 ” の1人となって殉教した 『 五島ヨハネ像 』 をはじめとした五島のキリシタンの歴史を語る資料館と記念庭園がある。この五島ヨハネ草庵は、1597年大阪で捕えられ、長崎まで800キロ、33日間にわたって歩かされ、十字架上で殉教したという。その時19才の青年であったという。時に1597年、関ヶ原の戦いの3年前である。
1614年、徳川幕府のキリシタン禁止令発布。五島におけるキリシタン弾圧も熾烈さを増し、多数の殉教者を出しながら壊滅状態となり、約160年の間信徒は途絶えてしまったという。
1797年、弾圧の激しさとともに大村藩の外海 (そとめ) から五島藩への農民の移住が行われ始め、再び五島のキリシタンの歴史も始まったという。新天地での平和な生活を夢みていたらしいが、《 聞いて天国、来てみりゃあ地獄 》 だったという。それは荒れた土地の開墾しか許されなかったからだ。
ガイドの説明を居眠りの中で聞いていたら、このあたりの事情は遠藤周作の 『 沈黙 』 に詳しいらしい。小生、松本文六は未だそれには目を通していない。遠藤周作の代表作らしいが。
― つづく ―
2008年2月25日
人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
旅
§ 五島列島 ①
23、24日の2日間、個人的な休暇をとって、五島列島、福江島に行ってきた。椿をみたいということで連れあいと出かけた。
長崎港に午前11時に集合ということで、長崎までは車で行くこととした。
片道240キロ位だろうと推測して出発したが、実測273キロだった。6時40分に自宅を発ち、長崎港に9時25分に到着。途中、武雄川登で一休憩して行ったので、平均時速約99キロで行ったこととなる。
船で福江島に渡るので遅れたら置いてきぼりにされると考え、余裕をもって到着。高速を出て、すぐのところに長崎港があった。港の周辺を散策しながら11時まで過ごす。海は時化 ( しけ ) ており、連れあいは船酔いに陥っていたが、軽くてほっとした。小生は、元気そのものであったが、坂本龍馬が洋船にあこがれ、勝海舟とともに行動した時にも、船に一時は酔ったことがあるということがふと憶い出して、当時の船であれば、このような時はかなりひどい船酔いに陥ったのだろうなと想った。
あとで聞くと、3~4メートルの波だったらしく、小生たちが出発したあとの船は出港できなかったという。運が良かった。
五島列島で想い出すのは、民主党に五島正規という衆議院議員がいた。ある時、彼に、五島列島に関係があるのですか? と聞いたところ、そこの出だということであった。福江島に残る城、最後の殿様は五島家だったという。
彼はクリスチャンであったかどうか、当時、小生、松本文六は五島の歴史を知らなかったのでそこまで踏み込んで聞きはしなかったが、この五島はいわゆる “ 隠れキリシタン ” の発祥の地だったようである。
ひどい迫害を受けた土地でもあるが、未だに福江島の住民の6分の1がクリスチャンであるという。地図でみせられた教会の多さに瞠目 ( どうもく ) させられた。
― つづく ―
2008年2月24日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (7)
時事エッセイ
§ズサンな “ 報告書 ” に1億円!
先日、夜の9時、テレビをつけると、道路財源をめぐっての与野党のせめぎ合いがあっていました。
1000頁にものぼる報告書に、随意契約で1億円の研究費が出費されていたといいます。しかも、この報告書の半分は、参考文献、参照文献など外部資料の “ 紹介 ” で占められていると民主党の議員が追及していました。さらに、この報告書を出した官庁=特殊法人(国土交通省所管の “ 公益法人 ” ) 現理事長は建設省の天下りで給与年間1800万円、三度目の天下り先といいます。この天下り官僚の給与と “ 研究 ” 費用はすべて、税金より賄(まかな)われています。
もっと驚くことは、この海外道路情報に関する調査はわずか3ヵ月ばかりで “ 完成 ” し、製本したのはたった3部だけという。民間に補助金を出した時には、しつこく監査するにもかかわらず、身内にはこんな杜撰 ( ずさん ) なことがまかり通るとは !! しかも、自動翻訳されたとみられる意味の通じない部分や、根拠のあやしい引用もみられるといいます。
これこそ厚顔無恥の輩 ( やから ) のやること以外の何物でもありません。東大寺南大門の仁王様はその金網から出てきて、このような輩 ( やから ) をそれこそ完膚無きまで叩きのめして欲しいものです。
仁王様の力でなく、松本文六がやればいい! という声も聞こえてきます。そうしないと、松本文六は想像力のない人間だと侮られますよ! という声も聞こえてくる気もします。
2008年2月23日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (6)
時事エッセイ
§東大寺南大門の仁王像に想う
沖縄でまた、婦女暴行が起きました。このことにヤマトンチュウはあまりにも無神経であり過ぎるのではないでしょうか? 他人のことで自分とは関係ないとでも思っているのでしょうか?
日本人は怒りを忘れた民族なのでしょうか? それとも国による庶民に対する経済的な締めつけで、あきらめきっているのでしょうか? もしあなたの子どもが娘さんが強姦されたら、黙っておられないのではないでしょうか?
他人の痛みは自分の痛みと少しでも感じる想像力は、これまでの教育で喪失させられたのでしょうか?
東大寺南大門には運慶・快慶の合作である仁王像があります。小生、松本文六は、この仁王像は、鎌倉初期の世に対する憤怒の感情を表現したものだと考えています。
何故あれ程の表情が寺の入口にあるのか? これは相当に深く研究するに値することだと松本文六は考えます。
小生、松本文六は、白内障でどうかして欲しいという患者さんとこういう会話をよくします。患者さん、手術するとあなたの顔のしわがしっかり見えますよ、それにあなたがしわがなくきれいな人だなあと思っている人のしわもよく見えてがっかりするかもしれませんよ。そういうことででも手術をしたいというのであればいいんじゃないですか? と話します。
大分県で生れた高名な日本画家、高山辰雄氏の朦朧画は、もしかしたら、白内障の視点で描かれているのではないか? と邪推しています。彼の透明感のある絵には邪心がない、あまりにもきれいすぎます。小生、松本文六には雲上人の絵だと解釈しています。彼の絵には怒りや憤りがないからだろうか。
そういう意味では小生にとって東大寺南大門の仁王像は、小生、松本文六は一度しか見ていませんが、強烈な印象を心に刻みつけられています。
次に会う時には、どういう感慨を持つのでしょうか。何となくもう一度会えば、もっと心がときめき、生気をいただけれるのではないかと思っています。
2008年2月22日
日本の医療が危ない! (3) 医療事故
医療事故
§今、医療界では何が問題となっているのか ②
―医療事故調査委員会 ( 仮称 ) の在りようについて
- 医師法21条の届け出にしなければならないケースの基準をより鮮明にすべきである。
福島県立大野病院の “ 事件 ” をきっかけに、医療界に大激震が走ったことを考えれば、1994年5月に公表された日本法医学会の 『 異常死ガイドライン 』 が適切妥当なものとは判断しがたい。
法律の専門家でない臨床医が、医師法21条を読めば、《 犯罪の臭いがする 》 場合に届け出れば良いという考え方が一般的である。このガイドラインでは、大野病院 “ 事件 ” などの多発は防ぐことはできない。医療に大して詳しくない警察は、予期せぬ死亡例についても、その取り締りをしようとする犯罪捜査の感覚で対処することはあって然(しか)るべきことである。そのような点では、法医学会のガイドラインは不適切なものとして、医師法21条の運用に当たっては処断すべきであると考えます。 - 事故調査委員会の業務範囲は、死因究明と医療事故の発生に立った原因分析を行い、業務に精通し、もって日本の臨床医学の質の向上に資することを基本的任務とすべきである。
(1)届け出を怠った場合とは何らかのペナルティーを科すという戦前の警察国家的発想であれば、現場は萎縮してしまい、患者さんのタライまわしが必然的に起こることが予測される。保身医療が横行し、本来の医師としての役割が変質し、委員会の目的が実現できなくなる。
(2)民事裁判に証拠としての採用は避けられないと考えられるが、行政処分や刑事裁判に “ 活用 ”させるのは止めるべきである。これを恐れて、届け出の “ 公文書偽造 ” が頻発し、本来の委員会の目的が失われることとなる。 - 厚生労働省に委員会を設置すべきではない。
少なくとも内閣府の下に置き、公正取引委員会のような各省府から独立した予算と権限をもった委員会とすべきである。 - 委員会には遺族の立場を代表する者は入れるべきではない。
遺族を委員会の一員にすることが、本来の医療関連死の原因究明や不幸な事例再発防止に寄与するとは考えにくい。むしろ、市民の代表(患者団体や被害者団体、あるいは医療に関するNPO法人など)の方が冷静な判断ができると考えます。
以上
2008年2月21日
日本の医療が危ない! (3) 医療事故
医療事故
§今、医療界では何が問題となっているのか ①
―『診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案』
現在、医療に関する新聞やテレビの報道は一日も欠かさない程よくみられます。
その中で、ここ数年、医療訴訟が急激に多くなってきています。そのために、医師一人ひとりが、いつ裁判に訴えられるかもしれないと、ごく一部の医師を除いて、戦々恐々として “ 保身診療 ” に走っている傾向があります。
《 こんな重傷や重症の患者さんを診 ( み ) ていて、万が一トラブって、訴訟に巻き込まれたらたまらない!》
ということで、時には診療を拒否する傾向が出てきています。
医師も人間ですから、間違いを犯すことはあります。ところが、最近のマスメディアの報道を注意深くみていますと、すべての地域で最高の医療が受けられるのが当たり前だという論調が目立ちます。そして、健康保険で受けられない治療が沢山ある、厚生労働省は早く認可すべきであるという形のニュースがしばしば流れます。このような中で医療不信が次第に強くなり、モンスターペイシェント ( Monster Patient 怪物のような患者 ) が出現しています。
このような医師と医療機関と患者さんの信頼関係をこれ以上こわすべきではない。《 診療行為には、一定の危険を伴なうものであり、場合によっては、死亡等の不幸な帰結 ( 結果 ) につながる場合があり得る。》 このように 《 不幸にも診療行為に関連した予期しない死亡が発生した場合に、遺族の願いは、反省、謝罪、責任の追及、再発防止であると言われる。》
そこで、厚生労働省は、医療事故調査委員会なるものを設置して、死因の調査や臨床経過の評価・分析等をして、同じような事故が再び起こらないようにしたい。と 『 診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 』 ( 以下、『 試案とします 』 )を、昨年10月に発表しました。この内容には随分問題があります。
この問題について、以下数回にわたって述べさせていただきます。
そもそもこのような事態が何故起こったのか? といいますと、2004年12月17日に、福島県立大野病院で帝王切開中の出血により患者さんが死亡しました。その当事者であるK産科医が、1年2ヵ月も経った2006年2月18日、業務上過失致死罪及び異常死の届出義務違反 ( 医師法違反 ) の疑いで逮捕されました。
このケースは、産婦人科医が一生に一回遭遇するかしないかという程、稀な症例で、救命することの可能性が低い事例でした。そのため、産婦人科医の中だけでなく医療界で大問題となりました。
日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会から問題ありとの声明が相次ぎ、日本母性保護産婦人科医会は、以下のような声明で、この事態を全面的に批判しました。
《 このように稀で、救命する可能性の低い事例で医師を逮捕するのは産科医療、殊に地域における産科医療を崩壊させかねない。》
現に、この事件を契機に全国あちこちで昼夜を問わず、地域医療に貢献している医師たちは 《 こんなことではやっちゃおれん !! 》 とその診療意欲は著しく低下し、産科領域から撤退する産婦人科医が続出しました。
ちなみに、大分県でもそれが現実となってきています。お産を扱う医者が極端に少なくなってきています。2004年12月には、中津・国東市および佐伯市には、それぞれ10名、6名の産科医がいましたが、2008年1月には、何と、それぞれたった1名となってしまいました。
このように大野病院の “ 事件 ” 以来、全国から産科領域から手をひく医師が一挙に増えました。この “ 事件 ” 以外に、医療の領域にも競争原理=市場経済主義が次々に導入されることにより、勤務医は疲弊し、全国的に病院閉鎖や診療科の縮小・閉鎖が起こり、大問題となっています。
このような中で、国もどうかしなければならないということで、冒頭の 『 試案 』 を出してきたのです。
2008年2月20日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (5)
診察室から
§体によい “ 健康食品 ” は?
文六先生、わしゃあ毎日酢を少しずつ飲んでるんじゃから、体の調子がいいんかなあ!と患者さんに言われことが2~3度ある。また、クエン酸を飲んでいるんじゃ!とか、ウコンがいいよ!と言う患者さんもいる。
これらは、昔から言い伝えがあり、結構実行されているようだ。しかし、最近のいわゆる健康食品と称されるものは、何となく胡散臭(うさんくさ)い。月に5000円以上、時には数万円するものを愛飲、愛服している人も結構いる。
60代のある男性が、《 先生、娘に言われてあるサプリメントを飲んでいるんですが、いいですねぇ。体重が2~3キロ増えたんですよ。それに食欲が出てきてですね。》 と。《 それは液体ですか?》 《 いえ、粉ですよ 》 と。小生、松本文六が気になったのは体重が増えているという点だ。《 それは少々問題があるのではないんですかねぇ。ステロイドホルモンがその中に入っていると思いますよ。食欲が増え、体重が増えたのは、ステロイドのせいという気がしますねぇ。ステロイドは熱を下げる作用もあるんですよ。長期に飲み続ければ、血圧が上がったり、糖尿が出たりするんで、2~3ヵ月休んでみたらどうですか?》 と助言をした。
2~3ヵ月後、その患者さんは、元の体重になって診察室に顔を出した。しかし、いつの間にか、その患者さんは姿を消してしまった。一体今はどうしているのだろうか? 元気であればいいのだが……。
ところで、酢は確かに体にはいいらしい。鹿児島の黒酢は学問的にも研究され、普通の米酢の十数倍に当たるアミノ酸や有機酸を含んでいるらしい。
食酢の大手メーカー、ミツカンの研究所によると、酢には胃の粘膜の保護作用があり、病原性大腸菌O-157やサルモネラ菌、ボツリヌス菌などによる食中毒に対する抗菌作用がある、血糖値上昇を抑制する効能のあることが証明されているという。
そして黒酢には、九州大学の研究で血液をサラサラにする作用があるということが判っているという。また、この黒酢には悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やす効果もあるという。
酢は、カルシウムや鉄分の吸収を促進し、骨粗しょう症にも有効。さらに、肩こりや筋肉疲労にも効き目があるという。これは、疲労の原因となる乳酸が分解されるからだと科学的に証明されている。
黒酢で有名な鹿児島県福山町の黒酢は製造過程では何も加えず、太陽熱や地熱、日中と夜間の温度差など自然のエネルギーだけを利用し、古薩摩の壺の中で醸成されるというのだから、まさに天然の産物で、人体には益があっても害はなさそうだ。
小生、松本文六も水で薄めて1日1~2回飲用して人体実験をしてみようかな。しかし、これといった健康障害がないので、そこまでの人体実験は不要かなとも思う。
2008年2月19日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (4)
時事エッセイ
§道路特定財源問題
小生はテレビを見ることが少ないせいか、新聞をみても何が問題か理解できないことがあまりにも多い様な感じがする。松本文六は、今のマスメディアは、速く知らせることのみに汲々として、事件や事実に関するその本質を的確に捉え、それを読者や視聴者に伝えることをおろそかにしているのではないかと考える。
道路特定財源問題について、問題の本質がどこにあるのか、つい最近までサッパリ理解できないでいた。
A君が、少し調べて小生に教えてくれた。自民党や道路族が暫定税率を廃止せずに丸々道路に使うべきだと主張し、民主党は暫定税率を本則 ( といっても1954年―昭和29年に成立した法律 ) 通りにして、ガソリンを25円弱安くすれば良いと主張し、国民の関心を惹こうとしている。しかし、どうもどちらの話もマユツバモノで乗れない感じがしていた。
A君曰く、《 道路特定財源とは、「揮発油税」、「石油ガス税」、「自動車重量税」、「自動車取得税」、「軽油取引税」などからなります。元々、道路に使う目的で徴収する目的税なのです。そして、このうち約3兆5000億円が国に入り、約2兆2000億円が地方に入ることになっているのです。これを国土交通省が暫定税率をそのままにして、全額を道路を造るのに充てるといい、民主党は減税すればいいということで、地方に向けられる約2兆2000億円がいずれにしても宙に浮くことになる!ということで知事達の怒りを買っているのです。それに対して、民主党は地方への税収が失われれば、地方が道路予算として計画していたことが実行できなくなり、同時に、新年度の予算も立てられないとの窮地にたたされることを理解していなかったし、与党は与党で、小泉政権で公共事業費を毎年3%ずつ削減し、その分を一般財源化するという閣議決定さえ無視してすべて道路に振り向けるということを大臣の口から言わしめたために、大混乱が起こったのです。》 と。
小生、松本文六、納得。松本文六は、どういう道路を全国各地で優先して造るのようか、はたまた、高速道路の非常時に使うための電話1台250万円というコストをどれだけダウンさせ、いかに節約するかという視点での見直しをせずにこのようなタレ流し的発想―自らの懐 ( ふところ ) は痛めないで選挙に勝つために国民の歓心のみを目当てにしている政治家のあさましさと、何一つ責任をとらずに済み、自らの老後のことだけ考えていれば良しとする高級官僚の根性にあきれ果ててしまう。
勝海舟のような幕臣、あるいは赤穂浪士の心根のひとかけらさえみられないことに、小生、松本文六は本当に哀しい。
勝は日本の将来を憂えた高級官僚であったし、赤穂浪士は忠実な当時の公務員だった。そして、後者は殿様の代わりに国民と置きかえて考えれば、国民のために何をすべきかわかるであろう。そのような二者の爪の垢 ( あか ) でも現在の政治家と高級官僚には煎じて飲んでもらいたいものだと、小生、松本文六は思うのです。
2008年2月18日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ⑧
この4月より実施されることとなっている後期高齢者医療制度について、国は以下の変更を行いました。それは、あまりにも問題点が多いため、そしてまた、《 自公政権が次の選挙で負けるかもしれないという恐怖感 》 があって朝令暮改を行うと宣言したのでしょう。曰く、
- 現在、扶養されているとして健康保険に入っている者はそのままとし、国民健康保険等に加入している者は、保険料を切り替える。
- 新たに保険料負担が生じる者 ( 約 200 万人 ) には、制度加入後2年間は均等割のみとして、これを5割軽減する。低所得者は7割軽減する。
この2項に加え、国はさらに“激変緩和措置”を講じました。 - 2008年4月~9月の半年間は保険料負担は凍結する。
- 2008年10月~2009年3月の半年間は、均等割を9割軽減する。
こうせざるを得なくなったのは何故でしょうか? 多くの自治体から凍結すべきであるという決議があったからです。
もう一つ、この制度は、これまでの国の政策と明らかに矛盾する方針を、この2月13日の診療報酬改定に関する答申書の中で明示しています。
《 後期高齢者の継続的な管理の評価 》 という項で、診療に当って1ヵ月1回 “ 後期高齢者診療料 ” として月1回6000円 ( 1割の自己負担であれば高齢者が払うのは1月につき600円 ) が医療機関の収入となります。
これまで国は、病院の外来を縮小し、外来診療は診療所 ( 医院・クリニック ) に任せなさいという方針を出してきました。
しかるに、この後期高齢者医療制度は、この “ 後期高齢者診療料 ” の算定要件として診療所での診療しか認めないとしています ( 但し、4キロ以内に診療所のない病院ではこれを算定できる )。ということになりますと、病院にかかった方が、患者さんの負担は少なくなります。何という矛盾でしょうか !! めざす目的・目標と具体的方針が全く逆の方向を向いている訳です。エーッ !! と、小生、松本文六は叫んでしまいました。
さらにこの算定要件には以下の一項が加えられています。
《 当該診療所 ( また医療機関 )に次のそれぞれの内容を含めた研修を受けた常勤の医師がいること。研修事項 ① 高齢者の心身の特性等に関する講義を中心とした研修 ②診療計画の策定や高齢者の機能評価の方法に係る研修 》
幼稚園児ではあるまいし、研修項目の①、②については、開業医は、それなりに勉強して、すでに自ら修得していると考えられます。超専分野 ( テレビに出てくるような高度なテクニックを持っている外科医など ) に携わっている医師でこの “ 後期高齢者診療料 ” を得たいような医師にはこれらの研修が必要なのでしょうが、一般の開業医はこれらのことはとっくの昔に修得されていると、松本文六は考えます。厚労省のお役人は、真摯に医療を行っている医師をどこまで愚弄するつもりなのでしょうか?
このようなことでは、日本の医療は衰退しても向上することはないでしょう。
人間のいのちを扱う医師集団をこれ程までに侮っていることに対し、満腔の怒りをもって抗議したい、否、追放したいと、小生、松本文六は考えます。
あなたたちは、現場で本当に頑張っている医師や看護師や医療従事者、介護福祉士、他の福祉従事者をもっと大事に大事に評価しない限り、国を滅ぼす奸賊 ( かんぞく ) と指弾されても仕方あるまい! と、松本文六は言いたい。
(注)
- 病院 : ベッド数20以上。 医院 : ベッド数19以下。個人の経営。
- 大分県議会は、自民・公明の反対により、「後期高齢者医療制度の凍結と抜本的な見直しを求める意見書」を不採択としています。( 2007年12月、第4回定例県議会 )
2008年2月17日
日本の医療が危ない! (2) 医療崩壊の原因
後期高齢者医療制度
§医療崩壊の原因は、日本の財政危機によるものか
今の不況は人災ではないのか?と、小生、松本文六は考える。小泉政権以来、医療崩壊は急激に進んだ。
小生の皮膚感覚は、国の財政が逼迫 ( ひっぱく ) しているというのはどうもウソくさいと思っていたところ、文藝春秋2008年2月号には、それに答えてくれるような論文が載っていた。日本金融財政研究所所長の菊池英博氏の 『 大増税が医療・年金を破壊する ― 財政危機はウソだ。世界一の医療を守るには ― 』 という一文である。
氏曰く、《 医師不足、病院崩壊のおおもとを辿ってゆくと、この10年近く、国が医療費を極端に抑えつけてきたという事実に行き当たる。……さらに、「 社会保障のために使う 」 という口実で消費税の大幅引き上げが唱えられている。いわば、国民の生命と健康を人質に、大増税を行なおうとしている。》 と。
このような政府の論理は、二重、三重に誤っていると、3つの点を指摘されている。
- 医療費・年金・生活保護費・社会福祉費といった社会保障関係費は、景気動向に関係なく、国民にとって重要な経費である。景気が悪いからといって、病院が潰れ、十分な医療を受けられなくても仕方がないという訳にはゆかない。
- 日本の 「 財政危機 」 の主犯は医療費ではない。2001年からの小泉構造改革によって、日本経済が低迷を続け、税収が激減したことが最大の原因である。つまり、政府は自らの経済改革の失敗のツケを、医療費に回した上で、さらに、増税によってますます国民の負担を大きくしようとしている。
- 日本の 「 財政危機 」 は緊縮財政や増税では決して解決できない。現在の日本経済の停滞は著しい格差を生んでいる。国の「悪魔の不均衡」政策の結果である。
そして、日本は 「 財政危機 」 ではないと断言する。日本研究のコロンビア大学のデービット・ワインシュタイン教授、ジェラルド・カーチス教授や、欧米の金融関係者たちは、口を揃えて 《 日本は財政危機ではない。経済政策を間違えて続けることこそ、真の危機だ 》 と指摘しているという。
国際的には、一国の債務を的確に判断するのには “純債務” を使うのが常識とされている。しかし、日本の財務省の主張する “834兆円” は粗債務で、国民を侮 ( あなど ) っている言質だという。その根拠として以下のように示している。
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粗債務(財務省発表)
1 借入金 57兆円
2 国債 535兆円
3 財投債 140兆円
4 政府短期証券 102兆円
合計 834兆円
金融資産
1 社会保障基金 260兆円
2 円外投資債 210兆円
3 外需準備金 110兆円
合計 580兆円
*したがって、純債務は、834兆円-580兆円=254兆円となる。
(出典:「国民経済計算2007年」より作成。金融資産は2005年の数字をベースに推計。)
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この中で、政治のウソを具体的な数字(*)を示して小泉・竹中政治を糾弾している。
- 小泉元首相や竹中平蔵氏が 「 公共事業はGDP費を押し上げる効果は全くない」と度々言っているのは事実に反する。
- 小泉構造改革以来の政府の経済政策は 「 悪魔の縮小不均衡 」 政策である。小さい政府と叫んで財政規模を縮小するのは……。その結果、政府は国民の命にかかわる医療支出までも極端に減らして、日本の社会経済基盤まで破壊しようとしている。
- 「 公共投資を削減すれば、財政の赤字は縮小する 」という方針がいかに間違った政策であるかは証明できる。
*公共事業費 : 2001年度より削減し2006年度に及び6年間で累計11兆円削減。しかし、税収は累計32兆円減り、しかも政府債務は逆に長期だけで327兆円も増加させた。
この大失政の張本人である小泉・竹中両氏が依然として大きな顔をしている日本という国は一体どうなっているのでしょう? 誰か他にいないのか? 事実を隠し、ウソが堂々と通る社会や政治に私たちは、NO!と声高に叫ぶ必要がある。
小生、松本文六は、世の中を侮 ( あなど ) り続ける政治に対し、何としてでも鉄槌をくだしたいと想い続けています。是非とも力を貸して下さい。
2008年2月16日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (3)
医療
§モンスターペイシェント
昨年の11月12日、大阪・堺市の病院に入院していた “患者さん” が、西成区の公園に置き去りにされていたというニュースを翌日の新聞で知った。何とひどいことをする病院なんだろう !! というのがほとんどの人の最初の感想・印象だったと推測される。
小生、松本文六は何かおかしいのでは?と直観的に想った。しかし、小生はこの “事件” に関するその後の報道に関してほとんど見なかったし、耳にもしなかった。
ある日、ボーっとしていた時に、偶然、手許に積んでいた雑誌に目をやった。パラパラッと見ていたら、『大阪で起きた入院患者捨て去り事件について』という活字が眼に飛び込んできた。あの事件ことだ!と愁いで眼を走らせると、モンスターペイシェント ( Monster patient ) という言葉が頭に浮かんだ。
この “患者さん” は、60代の糖尿病をもった全盲の男性の由。糖尿病で全盲の患者を公園に置き去りにしたという記事を眼にすれば、誰もが、こんなひどい病院があるのか!とこの “患者さん” に同情するのは至極普通の反応だと思う。
しかし、この記事を続けて読むと、まさに怪物的患者、モンスターペイシェント ( Monster patient )という言葉を実感する。この男性は7年前からこの病院に入院しており、病院関係者 ( おそらく、医師、看護師他の ) や、他の入院患者に暴言をはき、時には暴行や器物損壊を行い、さらには6人部屋を一人で占拠していたという。
しかし、この “患者さん” は、入院治療の必要はなく、通院治療に切りかえることに本人自身が同意していたという。その上、入院費の滞納が続き、困った病院は、男性の前妻が住む家に連れて行ったところ、引き取りを拒否されたという。それで、病院職員は、この “患者さん” を公園のベンチに置き去りにし、救急隊にあとをお願いしたという。
モンスターペイシェント ( Monster patient )は現にいる。小生、松本文六の病院では、このような “患者さん” はいない。万が一、このような患者に対して、病院の医師や職員が恐がって対応できないようなことがあったら、一体とうすればいいのでよいのでしょうか? 他の患者さんが迷惑をこうむり、あげくにはその病院から他の病院に転院してしまうかもしれません。モンスターペイシェント ( Monster patient )とは、医療機関に対しても他の患者さんにも共通に多大な迷惑をかけるのです !!
興味のある方は「文藝春秋」1月号476頁を参照下さい。
2008年2月15日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ⑦
昨日述べました “粗診粗療” “差別医療” が、このままで数年経過し 2013年になりますと、次には以下のような事態が生じてきます。
後期高齢者医療制度の問題点
後期高齢者の医療費が増えた場合には「保険料の値上げ」か、「1点=8円」にして医療機関に負担させる?
2013年から都道府県別に診療報酬が決められる。
《 保険料が上がるのはあなたたちが病気するからですよと言われているようだ。1点=8円にすれば、今でさえ医師不足と言われているのに、これからどうするつもりなのか、これでは患者は早く死ね、医者には患者を診るのを止めよと言っているに等しい。どうしてこんな日本になったのだろう。》 (60代・男性 )
《 太平洋戦争でひもじい思いをしながら今日の日本経済の土台となって働いて来た高齢者に対する今の政治に怒りを持っている。アメリカの言いなりの政治を変えることによって日本は新しい展望も開ける。国民の生活も豊かになるのに―。国民のいのちを守るのが政治でしょう。与党は狂っている。》 (70代前半・男性 )
今の後期高齢者が若かりし頃、国は何と言ったのか! 《 若者はお国のために死んでくれ!》 と多くの若者が戦場に送られ殺されてしまいました。そして今、国は 《 お年寄り、お国のために死んでくれ!》 という政治を堂々と行なってきています。お年寄りは、自ら好むと好まざるとにかかわらず、現在の自民党・公明党政権に対して、はっきりと NO!と大きな声を出して意志表明をし、次の選挙には今の与党に対してはっきりと拒否権を発動しましょう。
小生、松本文六は一人の人間として、そして三十有余年医者をやって来た者として、このような医療差別を決して許しません。断固として凍結のための闘いに最先頭に立ちたいと思います。
2008年2月14日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ⑥
患者さんが病院や医院 (診療所) にかかった時に支払われる報酬の内訳は、大きく2つに分けられます。下記の(1)は診療を受けただけで費用をとられますが、(2) はひとくくりとして費用 (6000円) をとられます。
(1) 基本診療料・在宅医療・投薬・注射・リハビリ・精神科専門
(2) 医学管理費・検査・画像診断・処置→包括範囲
包括範囲部分(2)の検査や画像診断は、特別な検査や画像診断……例えばCTやMRIなど……を受けた時のみ別枠で検査料が医療機関に払われます。
しかし、一般的な健診で受ける尿や血液の検査を1ヵ月に何回やろうとも、一律6000円の“後期高齢者診療料”が払われます。このような制度を“包括払い”と呼んでいます。これは、日常的にありふれた病気の場合には医療機関の支払いは安く、かつ後期高齢者の自己負担額も安くなります。
診療を受ける側にとっては料金が安くなっていいのですが、他方で医療機関では収入が限られていますので、検査や単純なレントゲン写真などはできるだけ少なくしようと考えるのは理の当然です。すなわち“粗診粗療”の危険性が生じてきます。
このため74才までに受けた医療と、75才になってからの医療に格差が生じます。医療上、診療上の差別が生み出されることになります。
このような医療制度があっていいものでしょうか?
年齢によって受けられる医療に差があり、しかも、制限診療・粗診粗療を国が進めているということに、小生、松本文六は怒りを覚えます。お年寄りの方々もそう思われると想います。
このような制度は、まさに 《お年寄り、お国のために死んでくれ!》 という制度です。
皆さんの力で、そして、老人力を結集して、断固としてこの後期高齢者医療制度を凍結する運動をともに展開しましょう。
2008年2月13日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (2)
経済・政治・国際
§日田病院の小児科「時間外診療中止」
2月5日の大分合同新聞に、『時間外を原則中止』という見出しの記事が出ていました。
済生会日田病院の小児科が、この3月より診療体制を大幅に変更し、時間外診療を原則中止することを表明した記事でした。
ある人より、何でそうなるの?と聞かれました。その方はすでに子育ての時代はとっくに終り、今や年金生活にはいったばかりの方です。そのせいか、《そんなことあっていいの》という想いが言外に感じられました。おそらく、世の60才以上の方々はそういう想いで、今の医療の現実を観ておられるのだろうと思われます。
小生、松本文六は、すでに65才に達していますから、同世代の人たちの反応がよくわかります。この世代の方々の子育ての時代には、小児科や開業医の先生方が、時間外の診療を制限したという事態に直面したことがなかったからです。
見出しだけをみますと、何となく《けしからん》《大学は何という注文をつけているのか?》と誤解されかねない文面です。
しかし、よく読みますと、2人しかいない小児科医が体を壊さずにすみ、かつ診療を継続できるためのギリギリの診療時間制限を設けたと、松本文六は見ます。
平日は午後8時まで、そして土曜、日曜、祝日も朝9時から夕方5時までは、紹介状があればきちんと診療致します、また、救急車の場合は、平時は朝8時半~夕方5時まできちんと対処しますと表明されています。
松本文六は、賢明な方策だと考えます。この済生会病院の小児科医が1人倒れたとしますと、あとの1人ですべての小児科診療を担うことは極めて困難になることは目に見えます。
全国的に医師が病院から消えて行っています。何故でしょうか? それは病院の勤務医が疲れてきっているということです。
その要因の第一は、奴隷を鞭(むち)打って酷使していたように、国の医療政策がしっかり仕事をしている勤務医に過重な働きを求めているからです。例えて言いますと、1990年代前半までには、お年寄りの肺炎の治療を20日前後で治していたものを10日で治しなさい、10日までに退院させれば報奨金(診療報酬上の言葉では“加算”)をあげますという政策です。厚生労働省の言葉に言い換えますと、《平均在院日数の短縮を! 2週間以内に退院させれば標準診療費の15%増しにしますよ!》という形です。
これを、低医療費政策のために経済の苦しい病院もが全国で一斉に取り組んだために、全国の勤務医が次第に疲れてきて、過労死に陥るような事態に至りました。20日で診ていたものを10日で退院させるとすれば、単純にみても医師の労働密度は2倍になります。看護師も放射線技師、検査技師、事務員、理学療法士、作業療法士とあらゆる職種の労働密度もまた濃くなってきました。
現に、病院は人手が足りなくなり、新たに人を雇用します。そうしますと、人件費はますます膨らみ、赤字は年々増えます。一昨年の公的病院の何と9割が大赤字という状況に陥っています。
このような状況の中で、医師が一人去り、看護師が一人去り、ついには診療科の閉鎖→入院患者の数制限→一部の病棟閉鎖→病院の閉鎖が次々に起こってます。
全国の病院がこのような形で市町村から消えて行っています。
地域の医療をギリギリのところで守るために、済生会日田病院の小児科診療における時間外原則中止ということは、このような意味で、賢明な判断だと、小生、松本文六は考えました。
2008年2月12日
見る・観る・聴く・嗅ぐ (1)
時事エッセイ
§中国製冷凍餃子
今、中国製の冷凍餃子で日本全国あちこちで、大変な騒ぎです。そして、国産の餃子の“包み”(というのでしょうか?)が大変な売れ方と聞いています。毒がはいっていた!という想いが、そして食の安全性はどうなっている?という想いが、このような大騒動の原因と思われます。
日本側には問題なかったということで一件落着的な雰囲気がありますが、果たしてそれでいいのでしょうか?
メタミドホスは日本では使われていないということですが、形を変えて使われていることを皆さんご存知でしょうか? 『アエラ』2月28日号には《有機リン 日本こそ深刻》…身近な殺虫剤が「毒性30倍」メタミドホスに変化…と書かれています!!
それによりますと、最近、日本で畑作、果樹、家庭園芸などに大量に使われている商品名“オルトラン”(一般名 アセフェート)が実はその本体はメタミドホスということです。
このアセフェートは、生体内でメタミドホスに変化してより強い殺虫効果を発揮するいわゆるプロドラッグ(前駆体*)だそうです。アセフェートが体内ではメタミドホスに変化し、毒性も30倍に強まる特性がある由です。
メタミドホスは、有機リン農薬で、サリンと親戚の物質です。
元々有機リン農薬の歴史は、毒ガス兵器開発の中で生まれたもので、EUでは、各有機リン農薬は厳しく規制されています。しかし、日本では先に冷凍餃子より検出されたジクロルボスやアセフェート(メタミドホス)は、農薬としての規制はほとんどされていないそうです。
この有機リン農薬は、嘔吐・腹痛・下痢などの急性中毒の他に、慢性ないし遅発性の神経障害としての視野狭窄の他に、最近では、記憶障害や、うつ病、人格変化、慢性神経・精神障害を生じたりすると言われており、日本でも早急に厳しく規制される必要があります。
急性中毒症状は、急性胃腸炎に類似していますが、ノロウイルスやロタウイルスなどによる症状と類似していますのが医者としては大変気になります。それは最近とみにこのような急性胃腸炎が増えているからです。中には、有機リン農薬による急性中毒として感染性胃腸炎と診断され治療されている人もいるかもしれませんので、……。
*プロドラッグ……リウマチなどに使用される鎮痛消炎剤は常に胃腸障害などの副作用(強い場合には、胃粘膜を刺激し、出血を来して血を吐いたり、胃に潰瘍を作ったり、胃に穴を開けたりします)がありました。そこで、体内にそのくすりが吸収された後に強力な鎮痛消炎作用を来すようなくすりが開発されました。生体内に吸収された後に強力な作用が発揮されるくすりの前駆体がプロドラッグと呼ばれています。
2008年2月11日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ⑤
青森県の友人のO医師が、地元のお年寄りに、この制度を説明し、意見を求めたところ、ものすごい量の意見が寄せられたそうですが、その一部を紹介します。この後期高齢者医療制度の連載の冒頭に挙げました、朝日新聞の「声の欄」の方の意見とほとんど同じです。
お年寄りは怒っています。この怒りを老人パワーの爆発という形で、政治の流れを変えることができれば、日本はもう少しましな国になれると小生 松本文六は期待しています。希望のもてる社会にするために、そして安らぎのある生活ができ、安心して老い、安楽に死ねる社会にするために、小生 松本文六と共に闘いましょう。
《後期高齢者医療制度の問題点》
*年金から高い保険料が天引きされ、年寄りはますます生活が厳しくなる。
「75才の誕生日を迎えたら、『昨日の医療』が受けられなくなるような医療差別。年金より保険料を天引きする等、とんでもありません。高齢になればなる程体力が衰え病気になるのは当たり前です。」(70代後半・女性)
「年金から自動的に何でも天引き、手元に少しあるというよりもお金がない。戸籍的には長男がいますが、出稼ぎをして実質、老人二人世帯です。何かあった時には大変困っている。」(70代後半・女性)
*“姥捨(うばす)て山制度”をめざしている。1割の高齢者は介護保険料も国保保険料も滞納しているにもかかわらず、この制度は、資格証明書を発行し、全額現金支払制度。
「若い時は一生懸命働いて税金を払っていたのに、年をとったら長生きしないで早よ死ねと言わんばかりの政府のやり方には本当に腹が立ちます。」(80代・女性)
「厚労省の改正は、老人を見捨てる悪法であり、高齢者は早く死ねと言っているのと同じである。保険庁のでたらめは誰も責任をとらず、国民に始末を押し付けている。」(70代前半・男性)
2008年2月10日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ④
ところで、今回の制度では、家族の扶養に入っている人は、そこからはずれて、改めて保険料を払わなくてはなりません。
しかし、自公政権は次の選挙での不利を予測して、しばらくこれを凍結すると宣言しました。同時に自己負担割合も、3割、2割の人も6カ月間はこれまでの1割のままとするとしました。何と身勝手な話ではないでしょうか?
2006年6月21日の国会で、この制度を法制化したにもかかわらず、実施直前になって一部凍結となります。改めて、その事務手続に膨大な税金を使うことになります。これこそ、朝令暮改という四字熟語の典型です!!
さて、これまで国民健康保険に加入していた75歳以上の人もまた、この新しい後期高齢者医療制度の下では国民保険をやめて、こちらに移行しなければなりません。その場合、保険料は高くなるのでしょうか? それでも低くなるのでしょうか?
東京都後期高齢者医療広域連合の試算(2007年度保険料との比較)によると、所得(旧但し書き方式=年金額-153万円)15~100万円、年金のみの場合は168~253万円の階層では、保険料は急騰します。例えば、60万~80万円の所得では、86.7%も上がります。一方、485万~535万円の所得では、23.7%下がります。
これをみますと所得の低い人の方が国民健康保険の時よりも保険料は多くなりますし、所得の高い人の方が安くなります。何ということでしょうか?
小生、松本文六はびっくりしてしまいました。なんちゅうこっちゃ!!
高齢者の経済格差はますます拡大させられます。2007年の練馬区高齢社会対策課作成の資料によると、わずか3.6%の人たち(所得が705万円を超える)が練馬区高齢者全所得の約6割を占めておるにもかかわらず、後期高齢者医療保険料全体の26.7%しか、拠出しないこととなります。
やはり、富めるものはますます富む、強き者はますます強くしたいという、小泉・安倍やブッシュ政権の新自由主義路線を忠実に守る制度と言わざるを得ません。
ギリシャの昔から、病気と貧困は比例するといわれていますが、これでは貧乏人は死ねといっているに等しいのではないでしょうか?
全国平均の後期高齢者医療制度保険料(2007年12月17日 広域連合)は、保険料年額77,718円、年金所得208万円の場合年額84,032円。大分県の場合は、保険料年額79,572円、年金所得208万円の場合年額95,390円です。
2008年2月 9日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ③
さて、後期高齢者医療制度では若者層の保険料が、この制度を支える財源の約4割を占めるといいます。こんなことで、将来一体この制度は継続できるのでしょうか。
小生 松本文六は《できないのでは!》と考えざるを得ません。ちなみに、高齢者一人を支えるためには現役世代は何人いるのでしょうか?
生産年齢人口(15~64歳)を支え手として、65歳以上を、2005年は3.3人、2015年は2.3人、2055年は1.3人で支えることになります。75歳以上の場合は、2005年は7.3人、2015年は4.7人、2055年は1.9人です。(H19年版高齢社会白書 高齢世代人口と生産年齢人口の比率より)
これは、大変な問題ではないでしょうか? 将来《こんなバカな制度はやめてしまえ。俺たちの給料は高くないのにその保険料をまわすのはけしからん。俺たちの保険料を安くしてくれ!》といって、“暴動”が起きるかもしれません。
そう保険料は税金と変わりないのですから、医療制度そのものを税金で賄うという形の制度に本来すべきだったのではないでしょうか? 今日の後期高齢者医療制度は当初より税金で賄う方式とし、その財源として累進課税の見直しをすべきだったのではないでしょうか? 小生 松本文六はそう思います。
スウェーデンをはじめとする北欧は、税金は高いが、それだけスウェーデン国民は高福祉社会として医療も含めて、国民自身が安心して暮らせる国となっています。国や政府に対して信頼と信用があるからそうなのでしょう。
一方、日本は国や政府に対する不信が著しいので税金を払いたくないのです。国民の税金で守屋前防衛事務次官は夫婦そろってゴルフで遊びまわることができるのですから……。
国が政府がキチンとしてくれれば、貯金をしたり、民間医療保険に入るために高いお金を払う必要がないでしょうし、国民も自分の老後のために今より高い税金を払うことにNO!とは言わないでしょうに。
2008年2月 8日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ②
Q:いつ、どこで決まったのでしょうか?
A:2006年6月21日に“健康保険法等の一部を改正する法律”で、表向きには《良質な医療を提供する体制を図るための医療法等の一部を改正する法律》となっています。
しかし、この中味をよくよく検討しますと、とんでもない悪法と呼んでもいい代物です。
Q:どのような仕組みになっていますか?
A:①2008年4月1日より開始されます。
②制度の運営は、各都道府県内のすべてが市町村が加入する「広域連合」で行われます。
③この広域連合(大分県では県全体で一つの広域連合を形づくる)の地域内に住む75才以上の人(一定の障害のある人は65才以上)は、この広域連合が運営する後期高齢者医療制度の被保険者となります。
2008年2月 7日
日本の医療が危ない! (1) 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度
最近のマスコミでは、連日のように医療の問題が取りあげられています。それらを見る限り、これでは問題の本質が見えないなあ!と思うことが沢山あります。このような感想を覚えた折には随時、医師という医療の専門家として解説をのせたいと思います。
本日は、この4月より始められる“後期高齢者医療制度”について数回にわたって述べさせていただきます。
§後期高齢者医療制度は、思いやりのある政治の中から生まれたものか? ①
松本文六はNO!と答えます。
一般的には、『後期高齢者』とは、75才以上の方を指し、65才~75才未満のお年寄りを前期高齢者と呼んでいます。
皆さんはどうお考えですか? 松本文六は、この制度は、《お年寄り、お国のために死んでくれ!》という制度だと考えます。
多くのお年寄りは、この制度を知れば、おそらく同じような想いを叫びたくなるだろうと思います。ちなみに、昨年の11月8日の朝日新聞には以下のような投書が掲載されていました。山口市の鈴木百合夫さんの御意見です。
来年4月から導入されようとしている「後期高齢者医療制度」による、個人分負担額が年額約7万円以上になることを、新聞で知った。昨年、自民・公明の与党が強行採決した「医療改革法」によるものだ。
先の参院選で自民党が惨敗した要因の一つに老人パワーの反逆があると言われる。いま新たに広がりつつある高齢者の怒りや不安の声を意識してか、政府や与党内部からも凍結や一部手直し論が出ているという。
かつて自民党の大臣が「高齢者福祉は枯れ木に水をやるようなもの」と言って、世間の批判を受けた。今は、川柳の「老人は死んでください国のため」である。
対象となる高齢者(75歳以上)は、戦中・戦後を黙々と国のために尽くしてきた人たちである。しかし、高齢者いじめとしか思えない施策により、高齢者の貧困は着々と進んでいる。高齢者医療制度はこの状況に追い打ちをかけるものであり、凍結ではなく全面見直しを図るべきである。
社会保障の財源の論議の必要性は言うまでもない。思い切った防衛費の歳出削減や、無駄な歳出削減に努力するなど、納得のいく論議を期待したい。
的確な御意見だと思います。
明日より順次この後期高齢者医療制度の問題点を具体的にお話したいと思います。
2008年2月 6日
今の政治には哲学がない !!
経済・政治・国際
小生、松本文六は、2007年7月の参議院議員選挙に当り、以下の6つの公約を掲げて出馬致しました。
1.思いやりのある社会を! ―弱者に障がい者に病める人に優しい国を!
2.こどもが夢を語れ、こどもの可能性を最大限に引き出せる教育環境を!
3.働く喜びが得られる労働環境と賃金・年金制度を! 中小企業の育成を!
4.食料自給率60%を目標とし、生計の成り立つ農林水産業の環境整備を!
5.人間の尊厳といのちを踏みにじるあらゆる戦争に反対! ―平和共存の外交と共生という安全保障を!
6.ストップ地球温暖化、人間と自然の共生社会の実現、安心して暮らせる環境を!
この6つは、今の政治に決定的に欠けている点です。これらは、小生、松本文六が日本という国の政治の理念として据えるべきという想いから高く掲げている項目です。文六の六にちなんで6つにしました。
松本文六の社会へ向けてのメッセージ、日々の想いを、この6項目に沿って述べていきたいと思います。
2008年2月 5日
松本文六のホームページを開いてくれる方に
その他
何かのきっかけで文六のホームページを開いていただける方は、おそらく、先の参議院議員選挙に際して松本文六に何らかの関心と興味を抱かれた方々だろうと思います。
読んでいただける方が、一体どのような方々なのか私には全く想像もつきませんが、何を書けばいいのか、何を表現すればいいのか皆目見当がつきません。
しかし、このページが今や《日本の医療の流れを考える会(代表は私 松本文六)》が母体になっていることを考えますと、松本文六が何を考え、どう行動しているのか、そして、何を発信しているのかを知っていただくことに専念すれば良いのだとやっと得心が行き、本日より、365日にわたって発信したいと思います。
―何で今更とお思いの方もあるかと思いますが、小生は結構鈍なのです―
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- 人は旅をして気をもらう (1) 五島列島
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- 見る・観る・聴く・嗅ぐ (7)
- 見る・観る・聴く・嗅ぐ (6)
- 日本の医療が危ない! (3) 医療事故
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